その時は、数日でモチーフが十枚ばかり編めたような気がします。 ところが後が続きません。編むのは冬、それも日曜や雨の日だけ、しかも気が向いた時だけなので、なかなか編み進みません。
このモチーフは、真ん中から編み進みます。
一段目は目数が少ないのですぐできますが、編み進めるにしたがって目数が増え、一段編み終えるのに時間がかかるようになります。
いつだったか、この編み方で何十段も編み続けて、一枚のブランケットに仕上げていた人のブログを見たことがあります。
そんなこと、私には苦行としか思えません。おしまいの方では、何目編んでも編み終わらない、とうてい真似できるものではありません。
というわけで、大きいモチーフをつくると、一段編むのに時間がかかり過ぎてうんざりするし、かといって小さすぎると、それをつなぎ合わせるのが大変なので、七段で編んでいます。
骨董市で籠を買ったらついてきた毛糸は、地味な色が多く、必ずしも気に入った色の取り合わせができませんが、あら不思議、糸で見たときは無理と思っても、編むとなんとなくなじみます。それが、このモチーフの良さでしょうか。
編み物は普通、長く時間をかけて切れ切れに編んでいると、手が違うというか、編み目の大きさが違ってきて、でこぼこして使いものにならなくなって、つっこんだままにしたり、解いたりする羽目になります。
ところがこのモチーフの編み方だと、多少は大きく編めたものや小さく編めたものがあっても、また太い糸や細い糸を混ぜて使っても、なんとなく折り合ってくれます。
イギリスのおばあちゃんたちは、
「今度バザーをするので、何か出してください」
と頼まれると、
「何もないから、ブランケットでも編もうか」
と、この編み方のブランケットを一晩か二晩で仕上げるというのですから、お見事です。
二年もかかって、たった30枚しか編めていない私はもう、脱帽するばかりです。
一応、10×10枚、百枚つなぎにするつもりですが、いつか完成するでしょうか?