八郷の日々
2024年11月23日土曜日
『ビーチコーミング小辞典』
Shigeさんの『ビーチコーミング小辞典』(林重雄著、文一総合出版、2024年)です。
カメラがデジタルになってから15年ほど撮りためた写真を1年ほどかけて整理し、イラストをくわえた力作で、Shigeさんの優しさがあふれた本となっています。
ビーチコーミングの楽しさが網羅されていて、ビーチコーミングのベテランも、海辺で何も拾ったことがない人も、ひとしく楽しめる本になっています。
Shigeさんのすごいところは、好奇心が全方向に向いているところです。ありふれた貝から珍しいタコブネやアオイガイにまで、同じ愛情を注いでいます。
その昔、Shigeさんのお家に泊めていただいたことがあって、その整理された漂着物たちの美しさに度肝を抜かれたものでした。
私の最も不得意とするところですが、Shigeさんは記録を大切にされています。
砂のビンだけでも50くらいあったかしら、日本の浜だけでなく、お土産にもらったサハラ砂漠の砂まで、きちんと整理されていました。
ライターはかつて、お店の名入りのものなど、日本全国からのものが漂着していましたが、最近は漂着することがめっきり減ったそうです。
人工物の漂着物の花形と言えばガラス浮きですが、おもちゃもかわいい。
恐竜の動物園。
グリコのおもちゃ。
この本を見ると、きっと浜辺に繰り出したくなります。
そういえば、森で種を拾うのが好きだった私が、ビーチコーミングに関心を持ったきっかけは、Shigeさんのテレビ番組、25年くらい前のことでした。
2024年11月22日金曜日
犬張り子
骨董市で、おもちゃ骨董のさわださんの店に並んでいた犬張り子です。
見た途端、何か違和感を感じました。
変なのは尻尾でした。犬張り子のピーンと立った尻尾を見たのは初めてです。
犬張り子の尻尾は、尻尾の端が背中についている形が定番です。
笊被りなど、笊の中がよく見えなくて目立たないものの中には、尻尾を背中に一体化したものが多く見られます。
尻尾をつくると、背中との間にできた小さい穴の部分も、ナイフを使って切り開かなくては型が外せない。一手間多くかかるからです。
尻尾が一体化していても、背中が盛り上がったと思わず、尻尾を感じることが出来ます。
高さ15.5センチと大きな豊川張り子は、こんなに大きいくせに、尻尾が背中と一体化しています。
愛知県の豊川稲荷に行ったのはまだ倉敷に祖母が存命のころ、1970年代でした。
豊川張り子は武骨で愛らしいとは言われているものの、実物を見たらあまりにも稚拙でバカでかく、しかし、わざわざ途中下車した手前、手ぶらで帰ることは難しく、心ならず手に入れたけど、嬉しさはほどほどだったという記憶があります。
そんな、ちょっと残念な状況でしたが、長く一緒に暮らした今では、すっかり愛着がわいています。
同じくらいの大きさの犬張り子は、ちゃんと独立した尻尾をつけています。
根付のような指先ほどの小さい犬張り子犬の尻尾は、たいてい針金で表現されています。もっとも、小さいものは張り子ではなく、土だったり練りものだったりします。一番手前は合成樹脂製です。
そんな中、この練り物の犬張り子犬は、尻尾の先端が背中についていません。
これは、布を貼りつけるので、貼りつけ易いように先端をくっつけないでつくったものでしょう。
というわけで、この犬張り子の「変さ」が目立ちます。
変わったところはもう一、首輪です。通常首輪は、筆で描くか紐や布をあとから巻きます。ところがこの犬張り子は、紙紐を結んでその上に彩色しています。
いったいどこでつくられたものでしょう?
2024年11月21日木曜日
洗濯機が壊れた
しばらく前から洗濯機がガーガーと音を立て、だんだんその音が大きくなってきました。
電気屋さんに修理してもらえるかどうか、電話してみたら、
「何年使ってますか?」
「えぇと、15年です」
「あぁ、それじゃなおしようがない、寿命です」
と、あっさり断られてしまいました。
1ヵ月くらい、うるさい音を我慢して使っていましたが、いよいよ限界かなと思って、ネットでこれまで使っていたのと同じ商品名の新しい型の洗濯機を買いました。
息子には、
「買うなら言ってよ! タダでもらえる5000円クーポンも使ってないし、古いのを持って行ってくれるサービスも使ってないじゃないか。だいたい、ヤフオクなら5分の1の値段で買えるし、それが新品てこともあるんだよ」
と、懇々と諭されてしまいました。
「前の洗濯機は脱水のとき暴れたから、動かないように前に板を留めていたんだけど、やった方がいいでしょう?」
「やんなくていい。動いたのはお父さんが足の調節をちゃんとしてなかったからだよ」
なんだ、あんなに激しく移動していたのは夫の設置のし方が悪かったのです。息子の言う通り、新しい洗濯機はただ置いてあるだけなのに、微動だにしません。
老いては子に負けてしまいます。
前の洗濯機より洗濯時間が10分も短縮されたこと、自動で洗濯槽の掃除をするらしいこと(本当?)などの進歩が嬉しいのですが、感動ものは糸くずフィルターの掃除が超簡単になったことです。
洗濯機から取り外して、白いカバーをはずすと、糸くずが手で簡単に取れて、水をまったく使わなくてもフィルターがきれいになります。
残っていた、前の洗濯機の糸くずフィルターのです(スペアは切らさないようにしていたから)。
ネットを枠から取り外し、裏返して、流水の下で歯ブラシでこすっても、ネットの縫い目に入り込んでいる汚れがきれいにならないで、だんだん黒ずんでくる。糸くずフィルターの掃除が嫌で嫌でたまりませんでした。
まさか、喜んで糸くずフィルターの掃除をする日がこようとは! 日進月歩に感謝です。
ところで、最近の電子レンジは回らないんだって?
2024年11月20日水曜日
ミヤコ友禅染料
もともと、空きビンが好き、エンボスのあるビンが好きということで集め始めた家庭染料のビンですが、高じて販売促進のケースや染色標本など、ビン以外のものにも手を出してしまっています。
これは、缶入りのミヤコ友禅染料です。
友禅染料とは何でしょう?
濃い色の地にも淡い色を重ねることが出来る、つまり絵の具に例えれば不透明絵の具のような染料です。
これは「白茶」の缶、ということは淡い色ですが、濃い色の布に模様を染めることが出来たのでしょう。
染色標本に、濃い色の布に染め型を置いて、その上に薄い色で模様を描いている布標本がありました。
おそらく、古い着物をまず濃い色一色に染めておいて(前の模様をすっかり消して)、その上に薄い色で型染めする需要が大きかったのだと思われますが、みんなそんなにうまく染められたのでしょうか?
箱の横には「赤缶(かねへんに草冠に口を2つ、下にふるとり)」と「抜染用」と記してあります。「缶」の古い字体は「罐」ですが、これはかねへんの「缶」になっています。
未使用ですが蓋は錆びついて開きません。
未使用ですが蓋は錆びついて開きません。
染色標本の表紙に描かれている缶と、この缶は同じです。
表紙絵を見ると、「赤罐」のほかに「青罐」もあったようですが、どんな染料が入っていたかは不明です。ただ、「友禅染料」という名がついているくらいだから、「抜染用」ではなく、「手描用」だったのかもしれません。
2024年11月19日火曜日
上棟しました
先週の木曜日は、F邸の上棟でしたが、その前日から柱が立て始められていました。
土台にも柱や梁にもすべて番号や文字を符ってあるので、たくさんの材木を迷うことなく正しい位置に据えつけることが出来ます。
上棟当日はラフターが来て、重い梁などを吊り上げました。
ラフターとは、路上を移動するときは小さくたため、狭い場所でも設置できて安全な優れもののクレーン車です。
次第に梁が乗り、柱と柱をつないでいきます。
すごいなぁ、プレカット。すごいなぁ、大工さんたち。
鳶の方たちが掛矢(大きな木づち)の音を響かせます。
この日は大工さん4人、鳶さん2人、それでも棟が上がったのはもう薄暗くなってからでした。
真っ暗な中、棟上げを寿ぎました。
次の日からも作業が続き、垂木が乗り、
室内の空間も感じられるようになりました。
普通、建設中の家は骨組みだけのときが一番美しかったりしますが、軸組み構造でつくっているので、できるにつれてもっと美しさが増すはずです。
2024年11月18日月曜日
消耗品だったのか!
スツールは腰掛けるものですが、踏み台にすることも多いものです。
スツールの上に立ったら、何だかガタガタするようになっていました。見ると、鉄筋の足にはめたゴムが一つ失われていました。
「あぁ、あのときの!」
1ヵ月ほど前、ゴム足がころがっていて、何の足だかわからず、夫に渡しておいたものです。夫に訊くと、
「あぁ、取ってあるよ」
と言いましたがどこへしまったか、出てくるまでに何年かかるかわからないので新しいゴム足を買いました。
10個組みのゴム足、内径は12ミリでしたが、直径13ミリの鉄筋にしっかりはめることができました。
驚いたのは、今まで履かせていたゴム足の劣化ぶりです。硬化しているし、ひびは入っているし、すでに割れているものもあって、新品を買って正解でした。
何となく、ゴム足が消耗品だってことを忘れていました。
今月は、保温力の高かったポットがすぐ冷めてしまうようになり、廃棄しました。また、しばらく前から洗濯機の音がガーガーうるさいので電気屋さんに尋ねたら、
「消耗品ですから修理はできませんね」
と言われてしまったので新しいものを購入しなくてはならず、ものには寿命があると思い知らされる日々でした。
それに比べるとお鍋やフライパンの息の長さ、50年も使っているものが、ごろごろあり、ありがたいことです。
2024年11月17日日曜日
ブローチ
県民の日に、一人で水戸に遊びに行った孫のはなちゃんが、お土産にブローチを買ってきてくれました。
おっ、タマかな? マルかな?
どちらかと言えば、タマです。
ちょうどよかった、友人の結婚式につけていきます。
銀線細工の花は磨いてピカピカにした方がいいのかもしれませんがどうでしょう? 変色してしまったのも、嫌いじゃありませんが。
歯磨き粉をつけて、歯ブラシで磨けるかしら? 銀線は細くてとても繊細です。
歯磨き粉効果があるかどうか試しに、ごしごし磨くことのできる、友人のつくったペンダントトップを磨いてみました。長年仕舞いっぱなし、真っ黒です。
ワイヤーはまだ磨いてないので真っ黒ですが、ペンダントトップはすっかり輝きを取り戻しました。しかし、かなりごしごしこするので柔らかい銀線細工を磨くのは難しそう、ネットで調べて、重曹でやってみることにしました。
耐熱容器にアルミホイルを敷き、重曹を入れ、その上に銀線細工の花を置いて熱湯を注ぐと、しゅわしゅわっと泡が出ました。
15分ほど放置しておくようにとのことでしたが、5分後に見ると、すっかり銀色を取り戻していました。
やっぱりきれいにしてよかったかな? これは、タイからの留学生だったターダーくんにもらったもの、数十年ぶりに輝きを取り戻しました。
そういえば、9月に糸島に行ったとき、たけちゃんからもらった缶バッジがあります。これもつけたいところですが、結婚式にはどうでしょう?
もうネックレスとかブレスレットをつける気も機会もなくなりましたが、ブローチはまだ楽しめます。
セルロイドのカワセミと、本物の木の枝に金をコーティングしたもの以外、全部いただきもので、猫並びはT.Mさんにいただいたもの、丸いのは彫刻家の佐藤忠良さんにいただいたものです。
やっぱり輝いていた方が、結婚式にはふさわしいものでした。
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