テラスの床板に使う
ヒノキを、先日材木屋さんが運んでくれました。
床板だけでなく、手すりも同じ材でつくりますが、手すりの束(短い柱)は、当初この材2枚を貼り合わせるつもりでした。
でも、もし安い角材があればその方がいいということで、またまた材木屋さんに材木を見に行きました。
朝早かったので、朝日が
クスノキの根にあたっていました。
ひだの中にまで光が届いて、何とも素敵です。
見入っていたら、会長夫人が出ていらっしゃいました。
「いつ見ても、立派な根ですね」
「今でもいい香りがするのよ」
「へぇぇ」
戸を開けてもらって、中に入ることができました。
中に入ると、すでにいい匂いがしましたが、鼻を近づけるとさらに香りました。
「毎朝、今日もいい日でありますようにって、匂いを嗅いでいるの」
なんと、本当にいいことがありそうな、素敵な香りでした。
台湾で30年前に天然林の伐採が行われて、樹齢千年以上のクスノキの根が掘り出されたとの説明書きが、今でも置いてありますが、もう20年も前からその説明書きを見ているので、50年ほど前に伐採され、掘り出されたものということになります。
「これは、根の四分の一と聞いていますよ」
そうなんだ!これで全部かと思っていたのだけれど、大きい根を4分割したものの一部だったのです。これを木が好きでたまらない会長さん(当時社長さん)がお買いになったのです。
小屋は四面がガラスで、どこからも見られるようにつくられていますが、北側から見ると、光が差し込んでないので陰影がなく、周りの景色が映り込んでいます。
それでも、カメラをガラスにくっつけたら、よく見えました。
見ることができてうれしい反面、伐採されてしまったのが何とも残念です。
どうしてこんな大木が伐採されてしまったのでしょう?
明治神宮は、台湾のヒノキで建てられました。
法隆寺の昭和の大修理や薬師寺金堂の建設にも、台湾ヒノキが使われました。日本には樹齢千年ものヒノキがなかったからです。
法隆寺のヒノキの半分以上は飛鳥時代のヒノキですが、台湾ヒノキがなかったら、修復もできなかったことでしょう。
1992年、台湾はヒノキの天然木の伐採を禁止しました。