稲わらの椅子を引っ張り出していたその日に、ちょうど同じ椅子がネットで紹介されていたという偶然もそうでしたが、何かが何かを呼ぶというか、めぐりあわせの不思議を感じることがあります。
先日、
タイのココナツ削りに触れていて、果たしてインドではどんな道具を使っているんだろうと関心を持ち、そのことを書いたばかりだというのに、これまで実物を見たことがなかったインドのココナツ削りをネットで見つけてしまいました。
しかも素敵なやつ、誰も関心を寄せなかったのかSALEで50%オフ、嬉しくなってしまいました。
一枚の板を刳りぬいた台の受け皿つきです。
金属部分は、鉄を平らに叩いて、刃先だけをぐるっと90度ねじってあります。
その刃を、受け皿つきの台に埋め込んで、別の金属を打って留めてあります。
刃を留めた留め金を、裏から見たところです。
しっかり留まっていて、ぐらぐらしません。
台は全体に平べったく、タイの削り台のように高さがありません。
またいで腰掛けるのは無理なので、前に載せた写真のように、この上に立って、身体を二つに折って作業するのでしょう。
膝で押さえても、使えそうです。
シンプルだけどインドらしい装飾にもうっとりです。
ココヤシは内陸にも生えるにもかかわらず、東南アジアでココナツミルクを使う料理がつくられているのは、たいてい島嶼部です(タイ南部は島ではなく半島であるにもかかわらず、その気候風土から島嶼部に分類されています)。
タイでも、お菓子には、生菓子から工場生産の菓子まで、ほとんどココナツミルクが使われていますが、料理には、北部や東北部(大陸部)ではココナツミルクを使いません。
インドでも、ココナツミルクは島嶼的風土の南部だけで使われていたのでしょうか?
デリーやコルカタ、バングラデシュなどに逗留したとき、ココナツミルク味のカレーに出逢ったことはありません。
わりあい南のタミルナドゥ州のポンディシェリの近くに逗留したこともありますが、ココナツミルク味のカレーは食べませんでした。
ココナツ削りは、広いインドのどのあたりで使われているのでしょう?
ネットで見ると、インドからスリランカでは、手で回転させるココナツ削りが使われているようです。
回転式には、吸盤で台に固定するものと、
クリップで留めるものがあるようです。
しかし、回転式の削り器は、かなりの力を要するし、左手をうまく動かさないと、きれいに削れないようです。
これだったら、削り器を固定しておいてココナツを動かす方が簡単そうに見えてしまいます。
ところで、ネットでさらに見ていたら、シンプルなタイのココナツ削りをみつけました。
そして、記憶の底の底の方から、タイに住んでいたころ、我が家にもこれがあったことを思い出しました。すっかり忘れ果てていましたが、なかなか軽便です。