どこから入ってくるのか、油断するとすぐ、クモがどこにでも巣を張ってしまいます。このときは、クモの巣を取ったついでに、高いところにぶらさがっている鳴子を外に連れ出し、刷毛で埃を払いました。
最初はぶら下げたままで埃を払っていましたが、形が入り組んでいるのでうまくいきません。
そのため、台の上に置き、一つ一つ丁寧にブラシを掛けました。それを元の場所に戻そうと持ち上げたら、突然音もなく紐が切れ、二つ三つ落ちてしまいました。
「わっ」
切れた部分を捨て、そうっと結び直して持ち上げると、また別のところが切れました。紐がすっかり弱っていたのです。今まで切れなかったのは動かさなかったからで、置いて紐がちょっと曲がったりしただけで簡単に切れてしまったのでしょう。
やれやれ。
改めて一つ一つ丁寧に掃除です。
この鳴子は「鳥脅し」でしょうか、「猪脅し」でしょうか?そして、いつごろ使われていたものなのでしょう?
買ったのはもうずいぶん昔のことですが、どこで買ったか、すっかり忘れてしまいました。太さも長さもまちまちですから、手に入った枝を、切っては削って、夜なべ仕事につくったものでしょう。
もし鳥に悩まされていたとしたら、雑穀を栽培していたのでしょうか?以前、キビを数年つくりましたが、雀に見つかってしまってからは、あまりにも食べられるので、つくるのを断念しました。
どうしてこのような形につくったのかわかりませんが、少しの振動で動きやすく、鳴りやすいのかもしれません。
でも、こんな音で動物が逃げるのだろうかと、訝しく思うほど、鈍くてささやかな音がします。
さて、タコ糸など機械でつくった紐を通したくありません。
食器入れの水屋の上に乗せている紐入れの籠の中に、なにかおもしろい紐はないかと取り出して、中身ををぶちまけてみます。
雰囲気がいいのは、木の皮をはいだだけの紐と、イグサのようなもので綯った紐です。でも、イグサは平野や水辺のもの、鳴子は山間のもの、木の皮の方がふさわしいように思えます。
パルメラヤシの太い綱も、ほぐして水に浸して細い縄を綯い直したら使えそうですが、手間がかかります。
というわけで、木の皮を使うことにしました。
このままでは太すぎるので、半分に割きました。
針なしで、簡単に紐が通ります。穴の太さはまちまちですが、何をつかって開けたのでしょう?
完成です。
また元の位置に戻しました。
この写真の右下に写っている、インドのプージャー(祭り)のとき、各家の入口の扉のところに飾るきびがら細工のぼんてんは、はたきを掛けたらばらばら崩れるので、きれいにするのを断念しました。
この家ではあまり光を当てていませんが、以前住んでいた、日光がよく入る家でも飾りっぱなしにしていたので、劣化したようです。
もっとも、インドではプージャーが終われば捨てるものですから、よくもっていると言った方がいいかもしれません。
2 件のコメント:
いつも楽しく拝見させていただいてます。
あまりの博学にあなたはいったい何者か知りたく思います。
ところでこれはアンギン編みの重りではないのでしょうか。間違いでしたらごめんなさい。
本田秀生さん
わっ、ありがとうございます。ネットで見てみましたら、まさに、それですね。
こもを編んだりするときの錘は好きでこれ(http://koharu2009.blogspot.jp/2012/09/blog-post_15.html)とか、これ(http://koharu2009.blogspot.jp/2012/07/blog-post_04.html)とか持っています。実際に小さい頃、寿司桶の上に掛けるすだれを編んだこともあります。
このアンギン編みの錘については、骨董屋さんが「鳴子だ」と言うし、軽いしで、音は鈍いけれど(笑)、まさか錘だと思ったこともありませんでした。いやはや、教えていただいてありがとうございました。
また、からむしを織ることをアンギン編みと言うことも知りませんでした。アイヌ語か何から来ているのでしょうか?一つ一つばらして使う錘なら、もともとの紐が切れても、そう神経質に紐を選ぶこともなかったですね。むしろ、タコ糸の方がふさわしかったかもしれません(笑)。
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