横浜市役所が超高層ビルの新庁舎に移り、民間に貸し出される旧庁舎の敷地は、5月31日をもって柵がめぐらされ、入れなくなるとのこと、旧庁舎わきの「くすのき広場」ゆかりの人たちが、最後の日に集まり、私は関係ありませんが夫について行きました。
旧庁舎うち、東日本大震災でびくともしなかった8階建ての建物はホテルとして残されるそうですが、低層の部分は取り壊されます。
残される建物は、右に伸びたクスノキの枝の下、右の二階建ての建物の向こうに、ちらっと見えています。
ここは地下鉄の上、地下鉄工事のおりに、元の道路として復元せず、歩行者専用道にしたもので、飛鳥田市政のもと、横浜市の企画調整局の都市デザイン室が設計した、日本の都市デザインの原点と言える場所です。
都市デザインとは、物理的なデザイン(physical design)ではなく、社会的なデザイン(social design)だと、今に受け継がれています。
都市デザインとは、物理的なデザイン(physical design)ではなく、社会的なデザイン(social design)だと、今に受け継がれています。
ここがなぜ原点かと言えば、歩行者をはじめ市民の利益を優先したこと、道路と公園(管轄する局が違う)を合体させた、道路でも公園でもない空間が、日本に初めて生まれたことでした。
超高層の宿命か、味も素っ気もありません。市民中心としてのシンボリックな要素が全く見られません。
高層化するのが風潮とは言え、旧庁舎をリノベーションして使い続けられなかったのが、残念な気がします。
6 件のコメント:
市庁舎は訪れた事がありませんが、関内の大通り公園や馬車道など、横浜のランドスケープデザイン実践者である田村明氏を思い出しました。池の縁に手摺を設けなくても良い様に浅瀬を作る、ベンチを置いてはいけない路上に設置し、消防のお咎めを受ける度に始末書を書けば良いなど強引とも思われる手法が通ったのも当時の市長の信頼を得ていたからこそでしょうか。
reiさん
馬車道はできた当時よりもっとよくなっていましたよ。
当時は横浜市の企画調整局の誰もが地域自治の実現に向かって燃えていて、田村さんも大胆に決断・行動されました。ただ、具体的なデザインはされていません。
私の夫も企画調整局の一員でしたが、飛鳥田市長が変わるとき横浜を辞して日本を飛び出し、以後はずっと第三世界の問題にかかわってきました。
JIA環境建築賞を受賞なさったときのプロフィールを拝見して、ご主人(先生)が横浜の都市計画に関わっていらした事を知ったのは最近の事です。当時は、横浜のランドスケープの先進性に感心するばかりでしたが、デザインの要でいらしたのには納得です。
これまで、マトリョーシカの事や安藤先生の事など、釈迦に説法的な事を投稿していましたが、又やらかしてしまいました。
(私が大学院に入学したのは、先生が退官されてからしばらくしてからですので、存知上げずに大変失礼しました)
春さんのこの記事や西脇敏夫さんという方の文章(http://urbanjissen.html.xdomain.jp/walking/kokunai/machiaruki4.pdf)を読んで、この場所が画期的で特別な場所だということがよくわかりました。別々の管轄部門にまたがるプロジェクトって大変なんでしょうね。新しい横浜を作るんだという勢いを感じ、その終焉を迎えてしみじみしてしまいました。私は全然関係ないのに(笑)。
タイトルの「さようなら」の後のハテナマーク要る?と思いましたが、2024年に星野リゾートがオープンするとなると、それは本当にさようならかもという気がしました。
reiさん
お気になさらないでご意見をお寄せください。楽しみにしています(^^♪
結局、夫は建築→都市→都市問題→農村問題→地球環境問題と関心を移してきて、都市とは疎遠になりましたが、一貫して「社会」に関心があり、当然の帰結であったと思います。
私たち夫婦は、アジア、アフリカで出会った人たちによって、生き方を考えさせられ、必然的に農村に移住してきました。ときおり、やっぱりメコン川のほとりに住めばよかったと思ったりすることはありますが(笑)、だいたいにおいては満足して、楽しく過ごしています。
これからも、よろしくお願いします。
hiyocoさん
?マークをつけたのは、もしかしたら残るかもしれない、あるいはもっとよくなるかもしれないようなことをちらっと聞いたからですが、残らないでしょうね。それに、ホテルと言えばオリンピック目当てとかでしょうから、どんなことになりますやら。
9月ごろには来年オリンピックをするかどうか決めなくてはならないらしいけれど、日本一国だけのことではないから、それに「ワクチンができたら」とも言っていたけれど、そう早くは難しそうだし、ほぼほぼ無理な感じもしますね。
人は集中してどうするかより、分散してどう多様に生きるか、そちらを真剣に考えた方がいいと思っていましたが、コロナが終わったら、少しは変わるでしょうか?たぶん、あまり変わらないでしょうね(笑)。
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