2022年1月14日金曜日

彦根


彦根にある大学で公開授業をする夫について、滋賀県に行ってきました。


久しぶりの遠出です。


雲は地域によってこんなに違っていた?
新幹線から、そして琵琶湖周辺で、八郷の雲とは全然違う雲を見ました。


その昔、弟と私が倉敷で祖父母と住んでいたときも、東京で両親と暮らすようになってからも、倉敷と東京を東海道線でよく行き来していました。
伊吹山が見える関ヶ原のあたりは、冬から春にかけても積雪していることが多く、のろのろと徐行運転するのが常でした。新幹線になってからも、かつては徐行運転していたような気もします。ところがこの日の新幹線は徐行もせず通り過ぎました。

彦根は素敵なところでした。お城を中心に古い町並みの佇まいがところどころに残っていて、再開発したところさえ、よく城下町の雰囲気を出していました。
夫を呼んでくださったKさんは、元足軽屋敷を買って、それを改修してそこに住もうとされています。課外授業の次の日、足軽屋敷群に案内していただきました。足軽は軽格ですから、お城とはかなり離れたところにあります。つまり、一番外側を守っていました。
足軽屋敷群には、細い道筋をはじめ古い足軽屋敷もいくつか残っていて、Kさんのようにこの場所を積極的に選択して住む方もぽつぽついらっしゃるそうです。


改修された辻番所です。
ここで、怪しいものが通ったりしないか見張っていました。


辻番所の松は美しいものでした。


Kさんの買われた家です。
明治以降、かなりの改築やら増築を重ねてある家と、その前の角地で更地になった土地、2軒分を買われて、少しずつ内部を壊し、改修に手をつけられているところです。
ちなみに、ポリカーボネートでつくった窓は、建具が痛んでしまっていたので、仮につけられているものです。


これが玄関から見たところです。


玄関のところには、1本の竹をそのまま開いてつくった板を、漆喰壁の上に泥除けとして、並べて張ってありました。
カンボジア以来、久しぶりに見た方法、竹を切り離さないで開くには、皮を傷つけないように、内側だけに切れ目を入れなくてはなりません。カンボジアにあり、日本にもあったということは、もとはといえば中国からもたらされた技術なのでしょう。
この竹は300年持ったのか、あるいは200年なのか知りませんが、今ではこんな細工ができる人は消え果ててしまっています。


室内には大小の模型も置いてありました。
Kご夫妻は改修をとても楽しんでいらっしゃいますが、どの部分を残してどこを変えるか、私には難しいことに思えました。


足軽屋敷群の脇には、彦根城の築城(1622年)の時に、城下防御のために人工的につけ替えた芹川が、まっすぐ琵琶湖へと流れ込んでいます。中堀があって外堀があって、そして芹川が大外堀となって、城下町を守る設計だったのです。
当時、それから200年も太平の世が続くとは考えられていなかったことでしょう。




 

7 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

うわ~、400年前のお家を購入ですか!売っていることにびっくりです。
壁の板が年季入っていますね。
街並みが整然として城下町って感じですね!

さんのコメント...

hiyocoさん
すごいでしょう!!!不動産屋さんがもっと住めそうな足軽屋敷を何軒か見せたあと、ダメだろうけれどというのでおまけで見せた家を買ったらしいです(笑)。
室内ではすでに床を外したり、柱を切ったりしていましたが、前途は長そう。コンクリートミキサー車みたいな大きな車は入らないし、私ならお手上げになりそうです。

af さんのコメント...

凄いですねー、凄いなぁ…
先日、改修セミナーと言うタイトルで三澤文子さんに講義してもらったんですけど、その時も築350年の物件の事例があったんですが、基礎もほとんどやり直して、工費は2000万!けど、前からの面影が残っていると言うことで、家族、親戚が大喜びされたという話がありました。これを聞いて、治すのはより多くの方と共感を大切にするお仕事なんだなと思いました。
なぜ、今のような新築信奉になったのか考えてみて、戦後の住宅施策が個人主義と近視眼だったんだと思えてきました。
生き生きと改修を講義した、三澤文子さんが眩しかったです。美佐子さんも木屑にまみれつつ笑、いつもキラキラしてます!

af さんのコメント...

あ、名前をかいてしまった!

さんのコメント...

afさん
春です(笑)。カンダハルの春です(^^♪
改築は空間的には規制があるし、どの部分を残してどの部分を生かすか、昔のままでは暮らせないので断熱などはどうするのか、いろいろ決めなくてはならないことが多くて大変ですね。いっそ、昔の材で新しいものをつくる方が、私としては楽そうな気がします。
日本人は新しいもの好きですよね。私の祖母が河川の問題で家を近くに建て直したとき、新しい家の奥に想い出の古い家のもっとも古い部分を引っ張って行ったのですが、ほとんどそっちに行かないで暮らしていました(笑)。幽霊が出そうで怖いって(爆)。
ヨーロッパの人は古い家に楽しく住んでいるようですが、イギリスの古い家に住んでいる方が、外観はいじれないし、内装も限界があるし寒くて住み難いと言っていました。

Unknown さんのコメント...

カンダハルってアフガニスタンのことですか?全く知りませんでした・・・

イギリスでは寒い家は暖かく改修しなくてはならないということで保健相が最低室温を18℃と定めています。
確か、賃貸ではそれを守ってないと、賃貸できないという法律になっていたと思います。
なるほど、外装や内装に制限があると、難しそうですね。高い目標の法律があっても、現実は・・・ということでしょうか。

さんのコメント...

afさん
そうそう、カンダハルはアフガニスタンです。前にも書いたことがあるのですが、夫の母が神田に住んでいる「はるさん」でした。それでカンダハルと(笑)。
というか、元々は犬の子春の母ということの春です。

イギリスに住んでいらっしゃるのは、まんまやのマダムの妹さんで、規制が厳しくて寒くて寒くてとおっしゃっていました。