今回も、四日がかりで大掃除をして、たくさんある棚の掃除などはすべて済ませ、居間の仕上げは当日の朝しようと思っていたら、夫がするというので任せました。
「土間のウッドブロックの中に入ったごみも取ってくれた?」
「ああ」
さて、お客さんが来て、居間に案内したら、目の前に蜘蛛の巣が!そして、犬の運んだ枯れ葉が畳の上に!
まあ、たいていそんなものです。
二階の展示室も、埃をはらったり、頻繁にある地震で向きが変わったりしているものを並べ直したりしましたが、この弓矢は、棚の上に置いてあったのを壁へと移動させました。
タイの山岳民族の弓矢です。タイ人の友人Pの家を訪ねた時、「いいね」と言ったら、「いつでも手に入るから」と、くれたものです。
いつものように、もの欲しげな顔をしていたのでしょう。
あれからPは、同じようなものを手に入れたでしょうか?たぶん、持っていないと推察します。 もう誰もつくらなくなってしまいましたから。
鼻の先が欠けてしまっていますが、弓の頭には動物の顔がついています。
矢を番えるところには溝が彫ってあります。
弦は、たぶん動物の腱だと思われますが、矢を番えるために擦れやすいところには、ラタンを巻いて、防護してあります。
そして矢を番える前に、弦を矢の下方に見える彫り込みまで引っ張ってきてその溝に収めなくてはならないのですが、弦が固くなっていて引っ張れません。
竹が折れたり、弦が切れたりするといけないので、引っ張ってくるのは諦めました。
弦を張って、獲物に照準を合わせたら、レバーを押し上げて弦を外し、矢を放ちます。こうすることによって、人力では長く引いていられない強い力で、矢を放つことができます。
動物の肩にあたるところに、樹脂か何か塗って、高くしています。
矢の出方を、調節したものでしょうか?それとも粘着性を利用したものでしょうか?
矢羽は竹です。
弦は丈夫なもの。
固く張ってあります。
本に、使っているところが載っていないかと見ると、『Peoples of the Golden Triangle』(Lewis著、Thames and Hudson社、1984年)にラフ人の弓が載っていました。
形はちょっと違いますが、原理は同じです。
ただ、家の前で、
「ちょっと構えを見せて」
と撮った写真であることが、ありありですが。
いろいろな狩猟道具も載っていました。
平地に住んでいる人たちでさえ、森の中を歩くと、
「これは猪の昨日の足跡だ」
なんて言うくらいですから、山岳に住む人たちは、猪、うさぎ、鳥などを、見事に仕留めていたことでしょう。
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