すとんとした口をつくって、まっすぐな蓋をかぶせるのが、原理的には一番簡単ですが、いつ外れるともしれないので、運搬などに適していません。
かぶせただけでは、心理的にも不安なこともあって、現在の主流は爪式かねじ式です。
シンプルな口の、フランスのコバルトガラスのビンです。
Old Friendに置いてあったこのビンが好きで好きで、いつも行くたびに見ていましたが、とうとういつだったか、セールのときに買ってしまいました。
アルミの蓋はかぶせるだけですが、ぴったりはまります。
コーヒー用の砂糖入れにしているのですが、中に砂糖を入れたまま、逆さにしても蓋がはずれません。それなのに、蓋を開けるときは、いとも簡単に開けられます。
全然知りませんでしたが、蓋に書かれている「Diadermine Paris 」でネット検索してみたら、ビンの素性が少しわかりました。
どうやら、1930年代の薬剤ビンのようです。
日本の糊ビンもかぶせるだけの同じ方式ですが、コバルトのビンに比べると精度が落ち、蓋は大きすぎてぶかぶかです。
蓋はまっすぐなのに、何故かガラスビンの口にはねじ山がついています。
いつだったか、糊ビンを置いてあった骨董雑貨屋さんが、
「蓋はオリジナルじゃないみたいだけれど」
と注意してくれたこともありました。
だけど、いくつか見た、どの糊ビンも似た状態でぶかぶかですから、別蓋でないことは確かです。
糊ビンの蓋は、もしかすると精度が悪いのではなく、何かでできた中蓋があったのに、年月を経て失われてしまったのかもしれません。
蓋に、ほんの小さなくぼみ(内側から見ると突起)を二ヶ所つけただけで、蓋は、おもしろいように閉まります。
蓋の真上からちょっと左に、その突起が見えます。
かぶせるだけから大進化ですが、そのためにはビンの方にも、突起を受け止める出っ張りをつけておかなくてはなりません。このような突起が改良されて、今の爪式へと発展したのでしょう。
蓋が爪式のビンで、四ヶ所に出っ張りがあります。
ちょっとした出っ張りではなく、堂々たる立派な出っ張りがついています。
そして、蓋は四ヶ所でくぼめてあるので、それを差し込んで回すと閉まります。
現代の蓋は、外からは爪が見えないような仕上がりになっていますが、このビンでは爪が盛大に目立っています。
蓋の文字が読めれば、このビンの素性がわかるかもしれませんが、装飾的でさっぱり読めません。これもフランスのビンです。
そして、ねじ式のビンたち。
ねじ式のビンは同じように見えるのに、閉めにくいのと、閉めやすいのがあるのが不思議です。中には、前は閉まっていたはずなのに、どうしても閉まらないものもあります。
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