しばらく前に、古い今戸焼の鉄砲狐を見つけました。
色は落ちているものの、欠けた箇所もなく、どれも素敵な狐たちです。
しっかりつくられた型で、耳や手足の指が一本一本、はっきりしています。
三体とも、違う型を使ってつくられています。顔の大きさ、脚の形、体型などがそれぞれ微妙に違うのです。
雨に濡れても色褪せない磁器の狐が出回るようになる前は、今戸界隈では土の狐が盛んにつくられました。窯元もたくさんあったと聞きますから、それぞれ、別の窯でつくられたのかもしれません。
左の狐は型に粘土板を押しつけてつくったときはみ出したバリはそのままですが、右の狐はバリをきれいに削り取っています。
尻尾は、いまどきさんが型起こしして復元した鉄砲狐ほど大きくなくて、薄くて小さいものでした。
このあたりでは今でも狐が住んでいますが、当時は江戸や東京にも狐は住んでいたのでしょうか?
お稲荷さんに並んで、世の移り変わりを見てきた狐たちなのか、あるいは個人のお宅に祀られていたものか、関東大震災や東京大空襲をどこで経験したのか、いろいろ聞いてみたい狐さんたちでした。
2 件のコメント:
どの狐さんもいいお顔をしてますね^^
ディテールの可愛いこと。こんなに良い鉄砲狐、僕も持ってません。って、自分で作ったわけでもないのに狐に失礼ですね(笑)
磁器人形のものを含め、稲荷の狐は陰気で癖のあるお顔が多いけど、江戸前の狐は表情もデザインもあか抜けてますね。すきだわぁ。
topcatさん
ありがとう♪可愛さを狙って丸っこくつくっているわけでなくて、すっとしているのに可愛いでしょう?
私は特に手先足先の細やかさにびっくりしました。いい型で、しっかりつくってあります。
でも、胡粉がたっぷり塗られていたときは手足もつるんとしていたのかな?今度いまどきさんに聞いてみます。
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