籠が好きです。
民具の一つとして籠が載っている本ではなく、籠だけの本も本棚のあちこちから集めてみると、いろいろありました。
『世界のかご文化図鑑』(ブライアン・センテンス著、福井正子訳、東林書店、2002年)。
ネットショップのAmazonでポチッとして送ってもらうのではなくて、大きい本屋さんに何度も足を運んでじっくり見て、重いのにぶら下げて帰って来た、最後期の本だったでしょうか。
『BASKETS AS TEXTILE ART』(ED ROSSBACH著、1973年)。
世界のいろいろな籠を事例に、籠とは何かということを教えてくれる本です。
右の写真は、ココヤシの葉をばらさないでそのまま利用してつくる、籠の原型とも言える籠です。
何度か紹介した、『 A Basketmaker in Rural Japan』(Louise Allison Cor著、1994年)。
宮崎県日之影村に住んでいた中村憲治さんが集めて、アメリカのスミソニアン博物館の贈った、廣島一夫さんの籠を紹介した本です。
何度開いて見ても、籠の端正な美しさに打たれます。
寂しいことに、情熱的だった中村さんも、90歳過ぎてなお現役だった廣島さんもすでにいらっしゃいません。
フィリピンのエルマーのヤシの葉細工の本、『PALASPAS』 (Elmer Nocheseda著、Ateneo de Manila University press)は、楽しさいっぱいです。
籠を特別な人たちではなくみんなが編んできたこと、籠を実用目的だけでなく、祭祀に使ったり、遊びに使ってきたことなどが、よくわかる本です。
この本で、フィリピンの手仕事の質の高さが世界に伝わったら、どんなに素敵なことでしょう。
フィリピンのヤシの葉細工の質の高さは、インドネシア、タイ、カンボジアなどのヤシの葉細工の質の高さでもあります。
『アジアの道具、籠・箱・器』(小川圭著、文化出版局、2001年)。
籠だけでなく、私の好きな箱も紹介してある、わくわくする本です。
これは漁具のページ。インドネシア、フィリピン、ヴェトナム、タイなど所は変わっても、籠の形がよく似ているのが面白いところです。
中でも、一番気になる籠はこれ、魚を獲る道具だからと言って、魚の形につくった籠です。
ヴェトナム人の遊び心が伝わってきます。
著者の小川さんは、アフリカアートの「ギャラリーかんかん」の設立スタッフとして、アジア各地を歩かれた方です。
つくりもしないのに、籠のつくり方の本も持っています。
『アジア、アフリカの民具がヒント、大好きなかごを編む』(高宮紀子著、文化出版局、2000年)。
高宮さんは、織物をしていたときに関島寿子さんと出会い、籠をつくりはじめられた方です。
『やさしく編む、竹細工入門』(稲垣尚友著、日貿出版社、2009年)。
稲垣さんは、熊本県の人吉で竹籠修行をされ、今は故郷の千葉県鴨川にお住まいの籠師さんです。
『自然を編む』(関島寿子著、創和出版、1986年)。
九月にその作品を見てきた、関島さんのご著書です。
籠とは何か?編むとは何か?人は何故編んだのか?
そんなことを思い起こさせてくれる本です。
イラストは関島さんのノートから。一番上はやはり一枚のヤシの葉でつくる籠ですが、どれも籠以前というか、籠誕生というか、籠のルーツのような籠というわけでしょうか。
2 件のコメント:
おはようございます。
「世界のかご文化図鑑」…図書館で読みました。
読みでのあるすごい本でした。あれだけ全世界まわって集めるというのは大変なエネルギーで、その仕事に感心しました。
でも重かったので、借りずにその場で読んで返しました(^^;)
karatさん
私、二度も三度も八重洲ブックセンターに行って、迷って迷って(笑)、買ってしまいました。しかも後に『木工文化図鑑』まで買ってしまって...(汗)。見たことのあるもの、ないものがいろいろ載っていて楽しいです。
重い?昔は重いものを運ぶなんて、へいちゃらでしたね。家にたどり着いたら肩が抜けそうになったりして。私の集めたものも、そうやってバカ力を発揮して運んできたものです。でも用心した方がいいですね。友だちで毎日重い鞄を同じ肩にかけて通勤していて、背骨が変形してしまった人がいます。
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