2020年6月24日水曜日

風呂敷のモンペ


しばらく前に地下室を片づけたとき、大判の風呂敷が何枚か出てきました。夫の母が使っていた風呂敷です。
昔は、着物を包んだりするために大きな風呂敷も必要でしたが、今では使い道がありません。
とりあえず洗って、どう処分するかと思案していたら、作業用モンペの膝が破れてしまっているのを思い出しました。
作業用モンペは今のところ3本ありますが、1本はこの膝が破れたもの、1本は生地が薄く細身で、丈がちょっと短かすぎて、安心して着られるのは、古い掛け布団カバーでつくったもの1本しかありません。


膝が破れているモンペは、タイの農民服スタイルです。
タイの農民服のモンペは、前後がなくて、どちらでもはけます。したがって膝も破れにくいのですが、どうしても右ひざを地面につけてしまう癖があり、破れてしまいました。なにせ、30年も昔のモンペですから、繕うというほどのものではありません。
このモンペから、型紙を起こしました。
 

ポケットは一つしか取れませんでしたが、嬉しいことに布は過不足なくちょうど足りました。


単純な直線縫いばかりです。


農民服は伝統的にはウエストにゴムを入れず、サロンのように巻いて留めますが、私はもちろんゴムを入れました。
薄い布1枚とはいえ、肌さえ見えていなければ、蚊には刺されないし、怪我もしません。モンペが短かったり、上半身も半袖で手甲(腕カバー)をつけてなかったりすると、気がつかないうちにけがをして、血が流れていたりします。

近頃の衣類は安い。100円で古着が、1000円も出せば新しい作業着が買えるところですが、再利用すれば、大切に使う気にもなるものです。
かつて、お金持ちと貧しい人は、服装で一目で区別がつきました。しかし、今は区別がつきません。
ホームレスの支援をしている人が、
「服装によっては困窮している人かどうか見分けがつかない」
と、彼らには注意深いまなざしを向けなければならないということを話しているのを聴いたり、昨日は英国の皇太子一家の発表された動画で、子どもたちは3人とも安いイギリス製の服(1000円前後)を着ているのが、英国民から好評を持って迎えられたというのを聴くと、
「いい時代になったなぁ」
と思います。
しかし、夫の作業ズボンを買ったら、「ミャンマー製」と書かれており、安い衣類がどこからくるのか、どんな労働の上に安い衣類が手に入る仕組みが世界的に出来上がっているのか、こちらも注視しなくてはと思ったことでした。







4 件のコメント:

akemifujima さんのコメント...

(楽しいかもしれないけど)重労働の中、針仕事する気力ってどこから出てくるんですか?
秘伝の技があれば、教えてください。m(__)m

hiyoco さんのコメント...

すごーい!風呂敷からパンツができるなんで!

さんのコメント...

akemifさん
力は出てきませんよ(笑)。洗濯してアイロンして、型紙つくって、裁断して、縫って、一日でできるところを、何日もかかっています。
これまでは、古いモンペを作業着にしていましたが、着古したものは長持ちしません。それで、2年くらい前に古い掛け布団カバー(モンペより洗濯回数は少なかったのか?)でつくったら結構いい感じでした。
素敵な作業着を着ている人にあこがれますが、すぐ汚くなるし、まあ、足さえ覆われていればいい、誰も見ないんだし、という気分でつくっています。やけくそです(笑)。

さんのコメント...

hiyocoさん
これは、外に履いては行けないモンペです。郵便局くらいなら行きそうだけど(笑)。
一番厚手の風呂敷を使いました。しばらく使えそうです。
もう1枚裁って、一緒に縫おうかとも思ったのですが、まぁ、作業用モンペは2枚あればしばらくはなんとかなるだろうと、つくりませんでした。
昔の人を思うと、布はなかなか捨てられません。特に息子たちが使っていた布団カバーなど、40年前に買って、まだ破れてないのをどうするか、すんなり捨てられもせず、困ってしまっています。
この風呂敷だって、ゆうに30年も40年も前のものですよ。何とか、布は全部活かしたいと思うのですが、アフリカの布とかインドの布とか、気に入って買って、何にもしていないのもいっぱいありますし(笑)。
まぁ、一つ片づいてよかったという気分です。