2022年1月15日土曜日

琵琶湖に浮かぶ島、おきしま


彦根で、足軽組屋敷群を訪問した後、琵琶湖に浮かぶ沖島に行くことになりました。沖島は琵琶湖唯一の人が暮らしている島です。


船着き場で、Kさんの同僚のAさんと待ち合わせて、1時間に1本の連絡船に乗りました。


乗ること約10分、沖島に着きました。


まず、船着き場の近くで、Aさんが学生たちと一緒に、流木で組み上げたモニュメントを見ました。


流木を拾い集めることからはじめたこのプロジェクト、大小の流木をドーナツ型に配置し麻ひもで縛ってあります。流木は1本1本違うので、どの木をどこに使うかの選択に一番苦労されたとか、完成までに2年かかりました。
琵琶湖の流木、しかも沖島に流れついた流木だけで、こんなにあることに驚かされます。断崖絶壁で陸伝いには行けない浜には、船で行って流木を集めて来たそうです。


ドーナツの外と内を立ち上げて、それを上でつないであります。


屋根材のアシは、沖島で採れたものでしょうか?訊き漏らしてしまいました。


集落は島の南東部に固まって位置していますが、一部島がくびれて細くなっていて西に抜けられ、西に面して建っている家もあります。


西側は風が強く、


陽が照っているのに寒々しい感じ、東側に帰ってきてホッとするようでした。

以下、狭い土地に仲良く並んだ家々の土壁です。
土壁がむき出しになっているのは、その上に張っていたトタンが錆び朽ちて失われてしまったものと思われます。




トタンは丈夫で、木よりも安くて簡単と張ったものの、そう長持ちはしなかったのでしょう。


もちろん、トタン板が残っている建物もたくさんあったし、そのあとに出てきた新建材などを張っている家もあり、伝統的な軒下近くには漆喰を見せるという方法で、木を張っている家もありました。


平地は少なく、家や納屋の後はすぐに切り立った崖になっています。


通路は最小限に取ってあります。


家と家の隙間は自転車はちょっと難しい、歩いてなら楽々通れます。


沖島では自転車に乗る人をたくさん見かけました。
車はたった1台、軽トラックを集落の北の端にある小学校の校庭で見かけただけでした。


島の年配の方たちは漁師さんですが、若い人には毎日近江八幡まで働きに行っている人が多いそうです。


琵琶湖では、フナ、マスなどが獲れるようですが、小さな筌(うけ)を玄関前に積み上げている家がありました。
エビを獲る筌に似ていると思っていたら、


昨日の昼食時に、夫が沖島で買って来た、小エビと豆の煮ものを出してきました。
時間外でがらんとした市場に女性がやってきて、そこで夫が鮒ずしを買っていたのは知っていましたが、エビの煮たものを買っていたのは知りませんでした。
あの、小さな筌で獲っていたのはこのエビに違いありません。


短い滞在で、島の生活まで垣間見られて、KさんとAさんに感謝でした。





2 件のコメント:

hatto さんのコメント...

春さん、沖島にいらしてたんですね。カゴ...そうです、そのエビを取るカゴです。「えびまめ」はこの地方の郷土料理ですね。鮒鮨はお口にあいましたかね。私の大好物でいろんなお店のを食べ比べています。体が温まり他の発酵食より持続性があります。滋賀県、いいところでしょう?私は愛知県から多い時は週に4回通いましたが。今年は雪が災害級に多くて彦根も大変でしたね。足軽屋敷主編は芹川沿いに遊郭もあったりで面白い街並みですが道が狭くて(当時のままなので)車が入れなくて大変です。住宅もリフォームは許可されていますが建て替えは禁止であることが多く、空き家があっても修繕費がかかったりと条件的になかなか住むには厳しいですね。滋賀県は、東西南北で食文化も違い、祭事・神事も古い時代から受け継がれていて素晴らしいです。3Mほどある葦を使った松明は今も受け継がれています。自然も文化も興味深い土地ですね。そして何より食べ物が美味しいです。信長が安土城をここに築いたのも理解ができます。2月は西の湖の葦原で葦刈りがあり、3月にはそれを一斉に焼く、葦焼きがあります。その葦で船を作り西の湖で乗りました。江戸時代と現代が今も共存する滋賀県でいいですね。私は、春になったら琵琶湖で、初夏には芹川と犬上川と大川で鮎釣りをするのが毎年の恒例行事です♪

さんのコメント...

hattoさん
寒い日でしたが、楽しい一日でした。
やはりエビを獲る籠だったんですね。サイズはいろいろでも形が世界(東南アジア?)共通なのが面白いです。
エビの煮物になんで大豆が入っているのかと思っていたのですが、名物だったんですね。
確かに、足軽屋敷は車が入りにくいのが難点であり、長所ですね。大きな開発はできません。足軽屋敷のKさんの家の玄関の写真ですが、敷地の中に電柱が立っています。これはもともと道に立っていて、それだけ道幅が狭まって、側溝もあるし、みんなここを通るのに苦労していたようですが、Kさんが電柱を引き受けて移設してもらって、みんなに喜ばれているそうでした。
Kさんは不動産屋に足軽屋敷群の中の空き家をいろいろ見せてもらって、最後にまさかこれは買わないだろうけど参考にと見せられたぼろ家を買ったそうです(笑)。
あれを業者に頼んで修理するのは大変、トラックなども入りませんものね。でもK夫妻は数年がかりで、しこしこと楽しみながら直していくようです。また中藪というところの地蔵堂を解体させてもらってきたのを室内に保管していますが、それを庭の一角に再建するなど、いろいろ楽しそうでした。