2022年1月16日日曜日

犬や猫

今年初めての骨董市で、おもちゃ骨董のさわださんの店を覗くと、開口一番、
ミルキーが死んじゃった」
「わぁ、ダメだったんだ」
秋ごろから、ミルキーは糖尿病に加えて、腎臓を悪くしたり目を悪くしたり、病院通いが続いていました。
「ミルキーはよく頑張ったけれど、さわださんはもっと頑張ったわねぇ。ミルキーは幸せだったよ」
「そうだねぇ。やり切った感じはあるけど」
ミルキーは3歳で椎間板ヘルニアを患って下半身不随になり、排泄が自力でできなくなったのですが、さわださんはそれから10年間、世話し続けてきました。
「ほらっ」
と見せてくれた骨壺に入ったミルキーは、おもちゃ骨董のさわださんの家らしく、おもちゃの入ったガラスケースの上に乗っていました。
hiyocoさんのうちのアディーといい、さわださんちのミルキーといい、ワンちゃんたちの訃報を聞く、この1月です。もっとも、アディーは大型犬にして19歳9カ月の大往生、ミルキーは10年前に命を落としていても不思議ではなかったのに、よく頑張りました。


「この猫どう?」
ミルキーの思い出話が終わってさわださんは、猫を取り出しました。
「それ、持ってるよ」
「300円」
「持ってるけど.....まっ、もらうか」
300円なら、ミルキーへの香典にもなりません。


持っていた猫と、買った猫。紛れもなく同じ窯元でつくられたものですが、黒目とか髭とか、手描きなのでちょっとだけ違います。
それに鈴や鼻の下などを見ると、新しく来た猫の方が彫が深い。型がまだ新しいうちにつくられた、古いもののようです。


前足のかわいい猫でした。

さて、滋賀から帰ってから、我が家の室内の一部でおしっこ臭いにおいがしていました。
トラが床に粗相したのかと見ても異常がないのに臭うと思ったら、使ってない入口のところに設置した猫砂箱から臭っていたことに気づきました。


トラは、小さい時から出入り自由な犬猫出入り口を使って、外で排泄してきました。2011年の原発事故で、犬猫共々伊豆に避難したときは、猫砂箱で排泄できないトラの世話に、なかなか苦労したものでした。
ところがなんと、1匹だけで一夜を明かしたとき、臆病者で外をうろつく猫たちが怖いため、念のため設置しておいた猫砂箱で排泄していたようで、猫砂箱はずっしりと重くなっていました。
「やればできるんじゃないの!」
今後、トラを連れて逃げなくてはならないことなんかあって欲しくないですが、猫砂箱も使えることがわかって、一安心でした。







5 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

わぁ、ミルキーもでしたか!10年間排泄のお世話はそれはそれは大変だったと思います。アディーの本格的な介護は半年ぐらいだったかな?ただ体が大きいので、私の全身を使って支えたり歩かせたりが大変でした。やり切った感、私も感じてます。災害で避難しろって言われたら、コロナで入院ってなったら、両親が病気になったら、そんな心配が常にありましたが、今は解放されました。

hiyoco さんのコメント...

トラはそこがオシッコするべき場所だってわかったんですね。年をとってからも学べるなんてすごい!

さんのコメント...

hiyocoさん
ミルキーは1月8日だったかな、アデよりちょっと前に旅立ったそうです。
そうですね、アディーの介護中、何ごともなくて、本当によかったです。
さわださんは、12月は動物病院に泊まりたいくらい通ったと言っていました。確か福島県の郡山に住んでいるのに茨城県の下館までそんなに通うなんて、常人ではできないことです。
下館の病院は椎間板ヘルニアのカリスマ医師がいたので、ミルキーが半身不随になって以後、少しは役立つかと紹介してあげたのですが、さわださんとこんなに長いおつきあいになるなんて、思ってもいませんでした。

私も忘れていましたが、ずっと前に留守にした時、トラがそこの土間におしっこをしていました。それで、その場所に板を張って猫砂箱を埋め込んだのですが、それからは一度も使われてなかったのでした。非常事態(?)で、その記憶がよみがえって、トラが行ってみたら猫砂箱があったということでしょう(笑)。
ここは作業着などを入れた衣装ケースを置いてあるので、ちょっと隠れ家的になっているので安心できたのかもしれません。よその猫も入る居間の方の出入り口はちゃんと閉じて出かけたのですが。

rei さんのコメント...

さわださん・ミルキーお疲れ様でした。これまで掛けてきた、愛情、心労、時間、労力そして医療費は計り知れません。ミルキーの居ない生活が、さわださんの普通になのは暫く先になるのでしょうね。

さんのコメント...

reiさん
腕の中で息を引き取ったということで、寂しいながらも「あれをしてやればよかった」、「あんなことをしなければよかった」などという後悔はないそうです。
で、またすぐお連れ合いが犬を飼いたがるのではないかと苦笑していらっしゃいました。ミルキーの前の犬が死んだとき、お連れ合いはものすごく嘆き悲しんだのに、わりあい間もなくミルキーを見つけていらっしゃったのだそうです(笑)。
私も、さわださんが100円、200円の商いをしながら(失礼!)医療費は大変だっただろうなと察しています。でも、それが人間というものではないかとも納得しています。ときおり、超珍しい古いブリキのおもちゃなどを並べていらしたのは、もしかしてミルキーのためだったのかもしれません。