2022年1月25日火曜日

Jさんのお皿


漆職人をやめてしまったJさんが、引っ越しして行き、餞別にとお皿をくれました。


ケヤキの板を手で彫って、透き漆を塗ったものです。


彫刻刀で溝を彫ったのでしょうか、ケヤキは硬いのですが、きれいに線が並んでいます。
焼きもののお皿にトーストを乗せると、熱でお皿と接触している面のカリカリ感が失われるので、トーストは木のお皿に乗せる方が美味しいのですが、溝が彫ってあるので、さらにカリカリ感が保たれます。

Jさんは素敵な木工作家さんであり漆職人さんでした。
我が家のコンクリート工事の時、棟上げの時、いつも手伝ってくれて、てきぱきと力の要る仕事をこなしてくれました。
いろいろ考えることがあったのでしょう、10年ほど前に制作をやめました。そして、市のレントゲンバスの運転の仕事を希望していましたが、すぐにはその仕事につけなくて、最初は大きな病院の手術室の準備の仕事をしていました。手術は1日に何件もあり、準備も後片づけも大変だったとのこと、今は薬問屋から薬屋さんに薬を降ろす仕事をしています。ずっと、医療関係の仕事についているのも、何かのの思いがあってのことなのでしょう。
Jさんは、いつもかっこよくマニュアル車に乗っていて、大型車の運転も大好きな女性です。




 

4 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

レントゲンバスの運転手を希望されていたので、てっきり男性を想像していましたが女性でしたか。男前な方ですね!お盆の彫った溝が美しい。
なるほど、木のお皿だとトーストのカリカリが長持ちするんですね。確かに普通のお皿だと下に水滴ができています。時間が経ってシナシナのトーストも、それはそれで好きですけど。

さんのコメント...

hiyocoさん
本当にさっぱりした(といっても頑固だけど、笑)男前の女性です。遠くに(と言っても土浦だけど、笑)行ってしまうのが残念!
彫刻刀を木目と直角方向に使うのは、刃をしっかり研いでないと、切り口がぼさぼさしたり欠けたりします。それに、何本も彫るうちに曲がってしまいそうだしね。とくにケヤキは硬いので、勢いがないとできないでしょう。
そうそう、トーストってあっという間にしなしなになりますよね。それで、急いで口に詰め込んだりして(笑)。

af さんのコメント...

春さんの周辺には、いろいろと変わった人がおられるんですね。レントゲンバスの運転手、hiyoco所長と同じく私もてっきり男性だと思って読んでました。
木の熱伝導率は約0.2W/m・K、磁器は約1.5W/m・Kですから、そもそも木だと冷めにくいという効果もありますが、溝によって接触面積が減るので、冷めにくい効果はさらにありそうです。
って、そんなこと考えている間に冷めちゃう!!!
義理の母が綺麗好きで、料理をしたあと鍋の片付けしてから食べようとするんです。そんなのあとにして温かいうちに食べましょうよ!って言えなかったことを思い出しました。(笑)

さんのコメント...

afさん
科学的分析ありがとうございます。hiyoco博士やらaf博士やらのおかげで、私も脳が鍛えられています(笑)。
男前のJさんは、もう職人さんには戻らないんだろうと思います。そんなものですね。

私も、人には絶対温かいうちに料理を食べてもらいたいのに、自分は食べる前にお鍋を片づけてしまいたい派です。あと、食べたら間髪を入れず片づけたい派です(笑)。きれい好きでもないけれど(^^♪
ずっと昔、たしか『暮しの手帖』だったか、「私の母は、食べているとき、空になったとたんにお皿を持って行ってしまいます」という高校生の話が載っていましたが、お母さんの気持ち、わかる気がして大笑いでした。