2010年12月23日木曜日
織物用の刷毛
布は、織り機にぴんと張った経糸(たていと)に、緯糸(よこいと)をくぐらせて織ります。
緯糸をしっかり打ち込むための道具は、筬(おさ)といいます。
筬は、薄く削った竹などを並べてつくります。薄くて幅の広い布を織るのであれば、筬の目の数は、数百にもなります。
経糸は全部、筬の別な目を通らせておき、緯糸を一本通す度に筬を弾みをつけて打ちつけて、布をパンパンと締めます。
というわけで、筬が行ったり来たり、何百回も何千回もするので、経糸は擦れて、弱くなってしまいます。そのため、布を織るときに、経糸に糊などを塗って、コーティングすることがあります。少しでも、摩擦から経糸を護ろうとするのです。
ラオスの、織物をやっているところで撮った写真です。
たぶんタイ製の刷毛。三つも重ねて幅を出しているので、掃除用の刷毛を分解して自分でつくったものでしょうか?あるいは、ラオスにもタイにも、織物に携わる人たちは多いので、織物用につくられた刷毛なのか、そのあたりは不明です。
この手の刷毛は、あまりにもありふれた刷毛だったので、取っ手がついたものをお掃除用に使っていましたが、使わないものを、コレクション用に取って置くのを忘れていました。
そして、上の方にちらっと見えるのが、
この刷毛です。
どちらも、繊維はヤシの繊維でしょう。
カンボジアの、織物用の刷毛です。
さすが木工に秀でたカンボジア、こんなものまで美しく装飾された漆塗りの取っ手がついています。
ソウルの仁寺洞(いんさどん)で出遭ったのが、この刷毛です。
箒草をラタンで巻いてつくってあります。幾つかあった中で、布で補修したのと、完全なのとどちらも捨てがたく、両方手に入れて、にこにこでした。
いまはどうでしょうか。10年以上前のインサドンの骨董市は、何もかもずいぶん安かったのですが。
刷毛先は、まあるく刈り込んであり、持ち心地も満点です。
ただ、一ヶ所とか二ヶ所だけの箒草の減り方が激しいので、寝かせて使っていたのでしょうか。糸くずがついているところも、気に入っているところです。
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