2010年12月24日金曜日
サントン人形
メリークリスマス!
フランスのマルセーユ(プロヴァンス地方)でつくられる土人形のサントンをご紹介するのは、クリスマスイヴの今日が最適かと思われます。
サントンに出会ったのは、岩波の絵本、『マリーちゃんのくりすます』でした。
挿絵が、土人形になっていました。そして、たぶん巻末か欄外に、サントンの紹介もあったかもしれません。
当時は、日本はまだまだ閉じられた国で、外国のものを目にする機会と言えば、各デパートで、ときおり催おされる、「○○国物産展」くらいなものでした。
そんなおり、妹から、デパートの「フランス物産展で、土の人形を見た」、という電話をもらいました。35年ほど前のことです。
早速見に行きました。サントンに間違いありません。二セットありましたが、とても高くて買えず、一セット買って妹と半分に分けました。
風俗人形、キリストの降誕人形、そして建物のセットですが、降誕人形は分けられないので一つにまとめ、風俗人形しかない方には、動物をたくさん入れるなど、二人で納得して二つに分け、くじ引きでどちらを取るか決めました。
私は、降誕人形の混じった方をもらいました。
マリアさま、飼い葉桶のキリスト、そして東方の三博士がいます。でも、当時は知識が足りなくて、ヨゼフは妹の方へ行ってしまったようです。
子供たちが小さい頃、サントンをよく絵のモデルにしたので、どれもクレヨンで汚れています。
そして、地震や引越しなどで割れて、修理したものもあります。
そんなおり、夫が仕事でマルセーユに行くことになりました。高かったとはいえ、セットを妹と分けたのを、残念に思っていた私は、夫にサントンを買ってきてくれるよう頼みました。そしたら、また妹と分けて、一セットずつ持てることになります!
サントンは、大きいものは等身大にもなるそうですが、大きくなればなるほど、リアルなつくりになるので、くれぐれも一番小さいものを買ってくれるよう、念を押しました。
夫の帰りより、サントンを楽しみに待って、開いたお土産の包みから出てきたのは、残念ながら、持っているものよりずっと大きいサントンでした。
セットの人物は高さが3センチほどですが、買ってきてくれたのは、8センチほどありました。さがしても、それが一番小さかったそうです。
その分、リアルなつくりです。
以前、デパートで見たことのある、もっと大きいサントンよりはずっと素朴で、気に入りましたが、極小のサントンほど可愛くなくて、ちょっとがっかりもしました。
今度は、ヨゼフがいました。
しかし、飼い葉桶のキリストだけ、何故かプラスティックでできていましたので、それは惜しげもなく捨ててしまいました。
そして、このサントンはどうしたのか。
ちょっと漫画チックなところが現代的ですが、夫がどこからか買って来てくれたのか、自分で買ったのか、まったく覚えていません。マルセーユのものというより、スペイン的でもあります。
「私が買うかしら?」とも思いますが、サントンだから、とりあえず買ったかもしれないし。
でも、確かなのは、日本がもう鎖国状態ではなくなった時代に、手に入れたものだということです。
ちなみに、小さいサントンのセットは、35年前に、二万五千円でした。
今では、夫の買ってきてくれたサントンも、最初対面したときより、大切に思っています。
本当の小枝でできた薪の束を担いでいたり、なによりみんな楽しそうに働いているからです。
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