わぁい、まきえさんからお土産に九谷焼(石川県)の招き猫をいただきました。
真っ白い、絵つけをしていない九谷の招き猫を除くと、九谷の招き猫は初めてです。
九谷の招き猫は、全身を模様で埋め尽くしていて、これは「盛り」という技法で描かれています。
「盛り」は、筆で絵を描くのではなく、筒で絵の具を絞り出して置きます。
九谷焼は磁器(土でなく石)で、五彩手という色鮮やかな焼きものが特徴です。明治になると主要な輸出品となり、欧米で人気を博しました。その人気を受けて、19世紀の終わりごろから、器ではない飾りものもつくられるようになりました。
土でつくる招き猫はおもに、素焼きした生地に胡粉を塗り、その上に墨や絵の具で顔や模様を描いて仕上げてあります。
ところが、九谷など磁器の場合は素焼きしたものに釉薬を掛けて焼き、その上に模様を描いて、再度焼いてつくっています。
九谷の招き猫は、すべて手仕事の上、いろいろな色だけでなく金をふんだんに使っているので、サイズのわりにはとても値の張るものです。
五彩手とは、5色ではなく、多色を意味しています。
タイにはベンチャロンと呼ばれる焼きものがあります。ベンチャロンとは、サンスクリット語で五彩手のことです。
ベンチャロンは、タイで焼くことができなかった時代には意匠を指定して中国に注文し、近代になってからはタイ国内でつくられるようになりましたが、かつては王家しか使えない焼きものでした。
今は、色鮮やかな焼きものに驚いたりはしませんが、昔はそれほど、色鮮やかな焼きものをつくるのは難しかったということです。
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