新潟県村上市の村上土人形の鯛小僧です。鯛を持っているのは、金太郎さんでしょうか?
村上土人形は、江戸時代に、愛知の大浜から村上に移住してきた瓦工が、余技につくったのが始まりとされていて、越後大浜人形とも呼ばれました。
村上市では3月の桃の節句に、町をあげて雛祭りを祝います。
旧家に飾られた人形を見ると、いわゆる段飾りだけでなく、土人形がたくさん飾られているのが見えます。
土人形のお雛さまも飾られていますが、
恵比寿大黒、布袋、大石内蔵助、尾上爺婆、福助など |
人形なら何でもいいようです。
親戚や隣人たちが、女の子の初節句に一つずつ贈った人形だけでなく、家にある人形全部を飾っているのかもしれません。
新潟の旧暦の桃の節句は、厳しい冬が去り、やっと春が来るという喜びに満ち溢れていたことでしょう。
鯛小僧は、桃の節句の人形というより、端午の節句の人形だったのかもしれません。
鯛の裏側は絵つけされていませんが、うろこやひれが裏側にまで丁寧に彫られているのがわかります。
村上土人形には大型のものが多いのですが、鯛小僧は高さ9センチの小さいものです。
ちなみに、私が子ども時代を過ごした倉敷では、隣人・友人からの女の赤ちゃんの初節句への贈りものは、潮汲み、道成寺、藤娘などの、いわゆる日本人形でした。親しい間柄なら個人で、ただの隣人たちなら数人一緒に人形を選び、贈っていました。
村上土人形が大型になったのは、より見栄えのする人形を贈りたいという、人々の心が反映されたものかもしれません。
桃の節句が近づいてきました。早くお雛さまを飾らなくてはと思いながら、まだ時間が見つけられていません。
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