たぶん、お酒を入れて、持ち歩くもの、酒入れだと思います。
後ろについている留め金を、帯に挟んで持ち歩いたとしたら、男性も着物を着ていた時代のものでしょうか。
一枚の板金(いたがね)を叩いて、水筒の形をつくり、
入れる口と注ぐ口をつけた蓋をかぶせて、つくってあります。
やはり打ち出してつくった杯は、ぴったりとおさまります。
「いい仕事をしています」
東京郊外の、母の家のすぐ近くにある、住宅街の中の昔風の骨董屋さん。
いつも外から見るだけでしたが、酒入れに惹かれて入ってしまったのは、ずいぶん前のことです。
骨董屋のおじさんは、
「こんなものに、女性が目に留めるなんて、珍しいねぇ」
と言って、大まけしてくれました。
酒器が好きと思われたのでしょうか。
そうではなくて、
水差しにしろ、
オイルポットにしろ、水筒にしろ、液体を入れる容器が、好きだったのです。
金属は、銀と錫の合金のようです。
田んぼに持って行くとよさそうな、アルミの薬缶です。
あまり見たことのない形ですが、麦茶などを入れるものでしょうか?
デッドストックだったのか、使った形跡はありません。而今禾(じこんか)で見つけました。
蓋兼カップには、「意匠登録100006」とあります。
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