朝の連続テレビ小説で、昭和23年ごろの設定だったと思いますが、これと同じような片口が、料亭のお座敷で、酒器として使われていました。
確かにこの片口は古いものですが、そのような使い方がされていたとは、あまり考えられません。
その当時はどこの家にも、たぶん料亭にもこんな片口がありましたが、それは
醤油や調味料入れとしてあったはずです。
また、当時はほとんど燗酒でしたから、料亭では徳利が使われていたのでは。
今見ると、裏方だったのがもったいないほど、美しい片口もありますが、片口はいわゆる「雑器」で、お座敷に出てくるようなものではありませんでした。
片口の中に何を置いて焼いたのか、置いたものとくっつかないように、たいてい、石(陶片)が埋めてあります。
それがまた、ほどよい模様(景色)にもなっています。
こんな深くて中が小さいものも重ね焼きするのは、安い雑記ならではの工夫だったのでしょう。
料亭で、もし片口が酒器として使われていたなら、こうゆう片口でしょう。
この漆の片口は、長男が結婚したときに、相手のご両親(20年来の友人だった)にも何か記念に差し上げたいと贈り、またとない機会だからと、夫を説き伏せ、自分にも買ったものです。
長男は離婚し、友人とは断絶(笑)、 美しい片口だけが残りました。
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