2013年3月13日水曜日

チャッカチャン


ぶんぶん回すと鳴るおもちゃづくりに再挑戦しました。

開封ずみの乾き気味の粘土を捨てると、手元には木屑の粘土しか残っていません。しかも未開封とはいえ、これも三年も前に買ったものです。


だいじょうぶかな?


今回は伸ばして、


切って、塩ビのパイプに巻きつけて成形します。
「いけない!」
ちょっと小さく切りすぎて、粘土の伸びも悪いので、もう一度丸めてやり直しです。


よく練ったのに粘着力も伸縮力もありません。端が網目になっています。


パイプに巻きつけると、伸びないで、表面がひび割れたようになったので、 ひたすら抑えて均します。ちょっと乾かしてから、パイプを回して抜き取りました。


よく乾かしてから、のこぎりで切りましたが、落雁のようにぼろぼろ崩れてきます。
すかすかな感じが、ちょっと心配です。


和紙ではなく包装紙を貼ってみました。


しばらくしたら、表面が波打ってきたので、霧を吹いておきました。
ところが、一晩経ってみると、霧を吹く前よりもっと波打っています。何故?


しかたがない、一番波打っていないのを選んでテグスをつけます。
内側に入る竹ひごは遊びを少なくしようと、内径ぎりぎりの長さにしました。


鳴りました!
と言っても、
「かっ、かっ、かっ」
という、たいして大きくない、魅力的でもない音でした。
「こんな音だったかなぁ?」

あらためて、『タイの昔のおもちゃの辞典』(サノム・クルットムアン著、1992年)を開いてみました。
このおもちゃはタイ語では「チャッカチャン(コオロギの意)」、または「オッオッ」と呼ばれています。約七十年前(今からだと九十年前)には、中国の広東州からの移民がこのおもちゃをよく売っていたそうです。
そうか、もともとは中国のおもちゃだったのです。

チャッカチャンもオッオッも、音からつけられた名前ですが、音を聴いた限りでは、コオロギの鳴き声というより、オッオッの方が似合っています。


ぶんぶん回すおもちゃ大集合です。
チャッカチャンもぶんぶん車も音はいまいち、音色の軍配は断然、美しくぴーぴー鳴く小鳥に上がります。


チャッカチャンは、もともと広東からタイにもたらされおもちゃですから、『中国のかわいいおもちゃ』(島尾伸三、潮田登久子著、平凡社、1997)にも、同じようなおもちゃが載っていないか、見てみました。
残念ながら、似たものは載っていませんでしたが、かわりにぶんぶん車が載っていました。これはプラスティック製ですが、昔からあったおもちゃだったとか。

でも中国にいない象がデザインされているということは、もともとはインドから来たおもちゃだったのでしょうか?あるいはインドのぶんぶん車にはトラもいますから、中国で生まれたものがインドに渡って、さらに象となって中国にもたらされたとか.....。

「おもちゃの来た道」も、なかなか奥深いものがあります。


4 件のコメント:

hatto さんのコメント...

簡単そうなのに、やっぱり難しい鳴るおもちゃ。乾くと木になる粘土は、わたしも使いましたが細かい繊細な作業は無理ですね。切り口の写真のように、おがこのようなボサボサしたものが素材になってるので、おおきなざっくりしたものを作るならいいんですが。私は3センチほどのカエルを作っていたのでやっかいでした。しかし、夫はそんな扱いにくい粘土であったにもかかわらず上手にチビカエルを作っていて感心しました。女房の扱いは下手ですが(笑)

さんのコメント...

hattoさん
だんなさま、手先が器用なんですね。難しいですよ、あの粘土。
私は母を見ていて、「雑!」と思いますが、では自分がつくるとなると、やっぱり、「雑」以外の何ものでもありません(笑)。
おもちゃは一応鳴りました。大した音じゃなかったけれど。でも、あのおもちゃ一つ取ってみても、歴史があって、たくさんの子どもたちが、昔から楽しんできたと思うと、なんだか楽しい気分になれます。

匿名 さんのコメント...

チャッカチャン=セミですよ。
たぶんタッカテーンと混同しているのでは?

さんのコメント...

匿名さん
ご指摘ありがとうございました。私もタイ語から遠ざかるばかり、あんまり調べるすべもありません。15年も使ってないので、錆び放題に錆びました(笑)。