トヌちゃんが、この春大学を卒業して、八月半ばにはオランダの大学院に行くことになりました。大学時代も成績優秀で奨学金をもらっていましたが、今度も全額奨学金で、オランダで二年間有機農業を学びます。
というわけで、お別れに遊びに来てくれました。日本にいればときどき会えたのですが、オランダだとおいそれと会えません。とても寂しくなります。
先月だったか、トヌちゃんは久しぶりにインドに帰省しましたが、そのお土産に浴用布、バチャを持って来てくれました。
格子織りの浴用布は、タイやカンボジアでは、とっても一般的、バングラデシュにも格子織りの浴用布があるのを知っていましたが、インドにもあったのですね。
もっとも、「インドにもあった」のではなく、おそらくインドから他の地域へ波及したのでしょう。となると、インドとタイに挟まれて、昔は東インドとも呼ばれたビルマにも、浴用布はあるはずです。
30年以上前に行ったビルマの市場を思い浮かべてみますが、格子のロンジー(男性用腰巻)や、紋織りの女性用腰巻布は目に浮かんでも、格子の浴用布は思い出せません。
バチャは、さすがマドラスチェックの国の織物、経糸の縞も緯糸の縞も複雑です。
製造元のラベルは貼ってありますが、かといって工場で機械で織ったものとは決めつけられないのが、インドやバングラデシュの織物のおもしろいところです。
おそらく、家庭で、あるいは小さな作業場で、手で織ったものでしょう。まるで機械で織ったかのように手で織るなんて、彼らには朝飯前ですから。
大きさは、約90センチ幅で約180センチ。
外で水浴びするときに身体に巻いたりするそうですが、ドーティー(一枚の布を腰に巻き、最後に股をくぐらせて腰で留めるので、パンツのように見える)として身につけることはないそうです。
タイだと、織りはじめと織り終わりに縞がきますが、バチャは布耳に縞が来て、織りはじめと織り終わりには、別の格子が織られています。
この端の別模様は意匠でもありますが、長く続けて織って、後で長さに切るときの目印になるので、たいていそのように織っています。
それにしても、木綿が取れた地域では古くから木綿の浴用布が織られていたと思われますが、木綿がなかった400年前の日本ではいったい何で身体を拭いていたのでしょう?
中国からの主な輸入品の一つが綿織物でしたから、富裕層は木綿の浴用布を使っていたかもしれませんが、一般庶民はきっと、着古した麻の布でも使っていたのでしょう。
4 件のコメント:
長い貧乏旅をしてたころは、こういう大判布を一枚バックに詰め込んでいました。
バスタオルにもなるし、腰に巻いてスカートにしたり、
日除けや寒さ除け、荷物を包んだりと一枚で何役も
こなしてくれて便利、便利。
でも日常生活では、それぞれの機能のものを使い分けて
暮らしていて、ひとつ何役もの使い方をしなくなって
しまいます。
普段の暮しでも、布使い上手になりたいと思いつつも
ついつい奥にしまいこんでしまいますねー。
先日カンボジアのおみやげにとクロマーという
格子柄の布をもらい、肌触りが良くてこの夏
重宝してます。
『この布は使い倒すぞー』と、首に巻き、頭に巻き、
洗い、干して、毎日大活躍です。
kuskusさん
そうですね。一枚に広げられる浴用布とわになっているサロンは、旅には欠かせませんでしたね。
カンボジアのクロマーは木綿もあるけれど、絹のものもいっぱいありますね。どっちなのかな?
しばらく前に昔タイにいたことのある友人が来て、タイ人を送りにと迎えにと二度来たんだけれど、二度ともパカマーを首にさりげなく巻いていて、一度目は「そう言えば、私にもそんなことがあったなぁ」くらいに思い(笑)、二度目は「活用していてすごいじゃん!」と感心しました。本当に便利な布なんだけれど、最近はすっかりご無沙汰です。クロマーやパカマーどころか、手ぬぐいやハンカチともご無沙汰で、Tシャツの裾で汗を拭いたりして(笑)。
バチャは洗って干したのでちょっと活用してみます。
わたしがもらったのは木綿のクロマーでした。
もらった時はただの平織りに見えましたが、
洗うとすこし楊柳感が出て肌にペタッとつかなくて
気持ちよいです。
カンボジアではもうおばあさんくらいしか使わないよと
言われたそうで、お土産用に何枚も買ったら
『やーい、おばあさん』と、からかわれたそうです。
彼女はまだ若くて美人さんなのに(笑)。
kuskusさん
カンボジアのお土産ではクロマーはやっぱり定番ですね。カンボジアの女の子はよく帽子をかぶるので、クロマーは使わないかもしれません。お隣のタイでは帽子をかぶらないので、若い子でもよく使っています。
陶芸家のIさんはタオルを、耳の上あたりから裏返して後ろで結ぶように頭に巻いていますが、あれをクロマーで縦に、後ろが長くたれるように結ぶと、かっこいいいです(笑)。
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