2018年12月8日土曜日

トアレグのお守り箱


ニジェールに住むトアレグの人たちのお守り箱(Tcherot)です。


薄い金属の板を二枚合わせにして、中に祭司が書いてくれたコーランの一説や、古くから言い伝えられてきたおまじないが書かれた紙を入れています。


このお守り箱は銀でできていていますが、中には銅や真鍮でできているもの、銀で全体をつくって部分的に銅や真鍮で装飾しているものなどがあります。
金は、悪運をもたらすとされて、使われることはありませんでした。

以下、写真は『AFRICA ADORNED』(1984年)より

女性は、17歳になると母親から、左から2番目のペンダント(Khomissar)と、お守り箱をもらいます。
写真の右二つは、ニジェールに住むトアレグの人たちのお守り箱で男女兼用、左端はアルジェリアに住むトアレグの、女性用のお守り箱です。
  

じゃぁぁん!
なんて美しいのでしょう!ペンダントとお守り箱と両方つけるとこうなります。
髪形から、この女性はモーリタニア出身(のトアレグ)とわかりますが、身に着けているアクセサリーは、現在(写真撮影当時)暮らしている、ニジェール・スタイルのものです。


トアレグの身分の高い男性は、知らない人には顔全体を見せません。鼻から下を隠すだけでなく、ベールをもっと引き上げて、目だけ出すこともあります。
この男性は一つのグループのチーフ、美しい真鍮のお守り箱三つで、ベールを留めています。


これは一年に一度行われるお祭りに参加している男性ですが、頭にお守り箱を三つ、素敵につけています。


ペンダントが目立つ、ニジェールのトアレグの女性たち。衣装の下に、お守り箱もつけているのでしょうか?
藍染めの衣装は暑さからも、乾燥や砂からも、ときには陽が沈んだ後の寒さからも、彼女たちを守ります。









2 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

ペンダントとお守り箱の両方をつけている方は美人さんですね!イスラム教徒なのに、鎖骨まわりなどを見せているのにはちょっとびっくりしました。逆に男の人の方が顔を隠してるなんて、サウジとは逆な感じです。
お守り箱が結構大きいのにも驚きました。私だったら首が凝って気分が悪くなりそうです。春さんは買ったのですか?頂きもの?

さんのコメント...

hiyocoさん
私のお守り箱は買ったもの、長い方が5cmくらいで、25gくらいです。
あの美人さんのお守りはその倍くらいの大きさがありそうですが、薄い金属なので、アジアの山地民の装身具ほど重くないと思います。
1980年代はまだ民族衣装を着て日常生活を送っていた人々が数多くいましたが、今はどうでしょう?トアレグの人々も、サハラを行き来する遊牧民でしたが、21世紀に入ってみんなスマホは持っているだろうし、生活スタイルは大きく変わっているのかもしれません。