2021年9月4日土曜日

私は18歳


トラが9月上旬に18歳になります。
トラがやって来た2003年当時、私たちは単管パイプとビニールでつくった仮設小屋に住んでいて、ネズミが出ました。
夜になるとあちこち走り回る音が聞こえるし、何かをかじる音も聞こえるし、時にはネズミが、外側と中側にビニールを張った単管パイプの上を走るのが、月明かりに浮かび上がったりしました。
これではもう、猫を飼う以外ありません。


これは、そのときネズミに足を齧られた、インドの紙でつくった蓋ものです。
近所のたけさんに、どこか猫がもらえるところがないかと訊くと、
「Hさんちは猫屋敷だ、いっぱいいる」
とのこと、さっそく訪ねると、庭に思い思いの姿でくつろいでいる、20匹くらいの猫が目に入りました。子猫もいっぱいいて、より取り見取りでした。両手に乗るほどの大きさの猫を貰って来たのですが、ものごころついていて、犬や人を恐れ、おびえて部屋の隅に隠れたまま出てきません。
なかなかなじみそうにないので、やっとのことで捕まえて、また猫屋敷を訪ね、一回り小さい、片手に乗るほどのまだものごころのついていない子猫をもらってきたのがトラです。


トラは長じてから、期待に応えてネズミをよく捕りました。母屋に移ってからは家の中にネズミがいないのに外から生きたまま運んできて、遊んでいるうちにネズミが逃げてしまい、しばらく家に棲みつくという失態も時々演じましたが、犬たちとともに母子として、姉妹として楽しく暮らしました。


犬がいたころは人間とは距離を取っていて、客があるときなどはひっそりと隠れていましたが、犬たち亡き後は、客人があればのこのこと観察しに出てくるし、人が何か食べているなと思えば、必ず寄ってきて欲しがるなど、すっかり犬化してしまいました。
年のせいか、獲物をとることは、もう長いことしていません。

トラの実家の猫たちは、予防注射などしないで放ってある感じでしたが、感染症が流行ったのか、全滅したと噂に聞いたのは、もう10年以上前のことです。







8 件のコメント:

rei さんのコメント...

トラちゃん、シュッとして美形!出生と落日荘の家族になった経緯はそうだったのですね。一族の生き残り、まだまだ頑張ってくれますように。渋谷のハチ公も片耳が欠けて(折れて?)いたそうです。

もう数十年も前になりますが、実家でもキジトラの猫を飼っていました。母が溺愛して、新鮮な小アジしか食べない贅沢な猫に育ってしまいましたが、ある日突然家出してしまいました。当時は、三味線の皮にするために猫を捕まえる人の存在が言われていましたが、真偽の程はどうなのでしょうか。

猫特有の腎臓の欠陥を改善する治療法の研究助成に、1億円を超える寄付が集まったとのニュースがありましたが、愛猫と少しでも長く暮らしたいと思う人達が多いことの現れなのかなと。

さんのコメント...

reiさん
ご実家は中央線沿線ですか?
私の実家の猫もたぶん同じころ、突然いなくなり、その当時三味線の革にするための人が横行していたと、母も言っていました。当時は東京には野良猫もいっぱいいましたが、野良猫は皮が傷ついているから、飼い猫でなくてはならないとかで狙われて、新聞記事にもなっていました。

3匹いた犬どもは、椎間板ヘルニアだの糖尿だの、医院と縁が切ませんでしたが(お金もかかった、笑)、トラは腎臓を悪くもせず、優良猫で助かっています。

昭ちゃん さんのコメント...

犬猫病院の資料がありますが人間に換算すると
90になります。 


 

さんのコメント...

昭ちゃん
トラの年ですか?いい年ですね(^^♪
からかったり、抱いてぐりぐりしたりしていますが、ばあちゃんとしては辛いかな?(笑)

rei さんのコメント...

新聞にも書かれたとの事でしたら、単なる噂話では無かったのですね。実家は中央線沿線では無いので、もっと広範囲の猫たちが狙われたのでしょう。
ひょっとしたら実家の猫の三味線は今でも残っていて、粋なお姐さんかお囃子のおじさんに大事にされているかもしれませんが(涙)。

トラちゃん、成人式が迎えられると良いですね。

さんのコメント...

reiさん
三味線の皮の張替は決して安いものじゃない、練習用は犬の皮なども使っているということですから、大切に使われていることでしょう。
母の猫は私が遊びに行ったとき、「出してくれ」と言ってそのまま帰りませんでした。仕方ないとはいえ、半分私のせいにも見える、母は恨んでいたと思います(笑)。

hiyoco さんのコメント...

トラ、18歳おめでとう!春さんちに来て幸せですねー。

さんのコメント...

hiyocoさん
ありがとう。幸せかどうかわかりませんが、あのまま猫屋敷に居たら、今頃は川を渡ってましたね(笑)。
まぁ、猫は犬より長生きですから、まだまだくたばりません、と言っています(笑)。