2019年4月21日日曜日

小さなものたち

骨董市に行くと、まことさんのお連れ合いが、
「小さいものがあるんです。お好きかなぁと思って」
と段ボール箱から、浅い紙箱を取り出しました。中には、さらに小さい箱がいっぱい入っていて、その小さな箱それぞれには、こけしやら一刀彫りやらが入っていました。
そこへまことさんが、
「そんなの好きじゃないよ、と言ったんだけどねぇ」
と、ちゃちを入れます。
いえいえ、好きですよ。


ほんの少しですけれど、いただいてきました。


中の人形たちです。


中でも気に入ったのは、全部が貝でできた、いかだ流しの人形です。
ツノガイでいかだをつくろうなんて、よく思い浮かんだものです。
貝のほかの材料も、針金、竹、糸、木、布をちょっとだけ使っています。藍色の布は脚の針金に巻きつけてあり(片方は取れてしまっている)、木はいかだの底の前後に、小さくて薄いものを貼りつけてありました。
惜しいことに足が一本折れていて、ぐらぐらして、ちょっと反り気味にしか安定しません。


そこで、アロンアルファーで固定してみました。
「よし!」

BEFORE

とくに後ろ姿が、

AFTER

見違えるほど素敵になりました。
蓑と笠、よくできています。


農民美術人形は、定番の「山登り」などもありましたが、どれもとても小さいものでした。
左はわら靴をはいた女の子、右はアイヌの男性です。


アイヌの男性は、台座も入れて35ミリの高さです。


練りものの「張り子犬」形の犬。


この犬たちは、幾つあっても邪魔になりません。


眠り猫は、座布団を取り上げてしまいました。


シジミ細工の顔がついたものは、初めて見ました。


頭巾はリボン製です。
「何のためにつくったの?」と問われれば、何とも答えられない人形ですが、よくできています。


加賀の八幡起き上がりと獅子頭は、古くからよくセットで売られていましたが、私は獅子頭を持っていませんでした。
八幡起き上がりは持っていますが、このサイズのものは家になかったので、獅子頭さんには、お供として来ていただきました


捨てないで残した紙箱はこれら、わざわざ蓋の一部を切り抜いて開けやすくしてあるのに、何故か中心ではなく切る場所が偏っている箱、こけしの千代紙を貼った箱、そして、写真ではわかりにくいけれど、蓋の周りにまわして貼った紙がなかなか素敵な、真四角な箱でした。






6 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

筏の人形、なんかいいですね!ツノガイを差し込んで筏にしようなんてよく思い付きましたね。
いつ頃のものでしょうか。蓑に使われているのはハイガイですね。日本で拾えるのは縄文時代ぐらいの古いものですが、フィリピンから輸入されたものかしら?よく雑貨屋さんのディスプレイなどに使われています。

さんのコメント...

hiyocoさん
こんな丁寧な仕事、最近ではないと思います。
みんな余裕が出て観光地に繰り出すようになったのは1960年代かしら?70年代になると、お土産ものも時間をお金に換算して雑な仕事をするようになってしまうので、おそらく60年代前半以前、もしかしたら戦前までさかのぼっているかもしれませんね。
これは個人のコレクションでしたが、農民美術人形が多かった。農民美術人形がつくられ始めたのは大正ですから、戦前と考える方が妥当、だとするとハイガイのフィリピンからの輸入は、あまり考えられませんね。日本の浜で拾ったものと思われます。
ちなみにタイではハイガイはホイデーン(赤い貝)と言います。空心菜を炒めるときはオイスターソースではなく、ハイガイのソースを使います。食べたくなります(笑)。
私の育った家にも、気にもしたことはなかったけれど、登山の白樺細工、農民美術人形があったことを、最近記憶の底から引っ張り出しました。

karat さんのコメント...

私が子供の頃(60年くらい前…)、海水浴で江の島などの観光地に出かけると、このような貝のかわいい人形が売られていて(このように粋ではなかったと思いますが)、それが素敵だと思って、色々な貝殻を拾って持って帰り木片の台にセメダイン(だったと思います)でくっつけて作った覚えがあります。写真を見てすごく懐かしくなりました(笑)。

さんのコメント...

karatさん
今でも、少なくても江の島では、貝細工の人形は売られているんじゃないかしら。貝細工という言葉さえありましたよね(^^♪
骨董市で、貝殻細工はときおり見ますが、接着剤が目立つ、味気ないものが多い気がします。一部貝というのではなく全部貝というのがすごいと思います。
今度、手持ちの貝細工のオールキャストのショーをしますね(笑)。

karat さんのコメント...

わー!、楽しみです(^^)。

さんのコメント...

karatさん
そう楽しみにしないで!ちょっぴりしかありません(笑)。