2023年4月26日水曜日

アメリカ開拓時代の道具


今日は朝から雨が降り続いています。田植え前の慈雨でしょうか。明日は晴れるそうですが、まだ晴れるなんて想像もつきません。


こんな日にすることと言えば本棚の掃除です。二階の本棚を掃除しました。
本棚は、本の大きさによって細かく高さを変えているので、最大限に収納することができますが、難点は同じ分野や同じ著者の本の大きさが違うとあちこちにしまわなくてはならないことです。そのため、探そうとしたときになかなか見つからないことがあります。
本棚掃除は、できるだけ同類を近くに揃えながら、どんな本がどこにあるか覚えながら、二重に入れている奥の本を確かめて前後を入れ替えたりしながら、要らない本は処分しようと分けておく、楽しい仕事です。
といっても、朝から結構頑張ったのに、結局、二階の本棚のたったの四分の一しか掃除と整理ができませんでした。


久しぶりに見た『AMERICAN BASKETRY AND WOODENWARE』(1974年)を、パラパラとめくってみました。


籠は、へぎ板のものが最もたくさん紹介されていました。あとはヤナギ籠少々とわら籠少々です。
アメリカ先住民の籠は草籠が多かったと思ったけれど、この本で紹介されていたのはヨーロッパからの移住者の籠なのでしょう。

木製品は洗濯用具、農具、台所用具など生活の多岐にわたっていましたが、織りもの関係の道具だけ紹介してみます。


左奥はニディノディ(かせにする道具)、右奥は杼と管(くだ)、中は刀杼(とうじょ)、手前が羊の毛を梳くカーダーで右が糸巻きです。
刀杼の立派なこと、刀杼の名にふさわしいものです。


かせあげ台と、手前の剣山のようなものは、麻を梳く(ほぐす)道具です。


同じくかせ繰り機


紡ぎ車は踏み足がありません。どうやって回すのか、紡ぐには両方の手が必要だと思われるのですが。


『AMERICAN COUNTRY』(1980年)も見てみたのですが、この中にあった紡ぎ車にも踏み足がありませんでした。
ちなみに、ペレのおばあさんが使っている紡ぎ車には、踏み足はあります。


この紡ぎ車にも踏み足がないように見えます。どうやって輪を回したのでしょう?


これは両方ともバンド織り機です。
右のものは手の込んだ道具ですが、歯車の向きからして、右に経糸(たていと)を巻いておいて左へと織っていく。となると、真ん中の歯車はいったい何のためにあるのか、板に穴が開けてあるのは何のためなのか、さっぱりわかりませんでした。
私にとっては謎だらけのアメリカ開拓時代の織りもの道具でした。







 

7 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

踏板のない糸車の使い方の参考になるでしょうか?
https://www.youtube.com/watch?v=IEZvmQA6o0s&t=4s

さんのコメント...

hiyocoさん
残念ながら、見ることができませんでした。
それで、You Tubeで探してみたけれど、踏板のある糸車ばかりでした。

hiyoco さんのコメント...

では「Meet the Great Wheel」を検索してみて下さい。別の動画「Spinning on a great wheel」でもいいです。どちらもダメでしたら諦めですね(苦笑)。
使い方としては「片手でホイールを回し、もう一方の手で糸を紡ぐ」でした。春さんが期待している内容ならいいのですが。

さんのコメント...

hiyocoさん
両方見ることができました。ありがとう。Great Wheelって言うんだ!!!
とってもとっても興味深かったです。
羊の毛は短いから、少しずつ絡ませながら糸状にして十分撚りを掛けたら糸巻きに巻き取るのだけれど、最初のアーミッシュ(?)の女性がやったときは速すぎてわからなかった。レポーターの男性がやってみてくれてよくわかりました。
博物館の女性たちが紡いでいるのを見てさらによくわかりましたが、Great Wheelを使うときはダンスみたいにステップを踏みながら紡ぐ。となると、『アンナの赤いオーバー』のおばあさんは座っているので、やっぱり変ですね(笑)。それに、Great Wheelはあんなに小さくないし。
絵描きさんが別の地域の絵を描くとき(例えば日本人がアフリカの村の絵を描くときなど)、なんか変なことが多い気がするのだけれど、『アンナの赤いオーバー』もアメリカの人がヨーロッパの絵を描いたからかなとも思いました。
踏板があるとき、はずみ車を回すのは足だから、カードした原毛を撚りがかかりすぎたりしないように左右の手の中で遊ばせたりきつく抑えたりするんだけど、Great Wheelだと左手だけでそれをやらなくてはなりません。でも右手ではずみ車のスピード調節ができるから、リズムよく行くのでしょうね。
最初の女性の爪が汚れていて、「あぁ、染めものをしているんだな」と、とっても親しみが持てました(笑)。あっ、博物館の女性たちのカーダーの使い方も興味津々でした。使い方がうまい!
ありがとう。

さんのコメント...

hiyocoさん
教えていただいた2つのアドレスの最初の1本ずつ見てコメントしたのですが、2つ目のほかのも見たら、超面白かったです(笑)。
左手だけではうまくできないからとGreat Wheelなのに両手使っている人、左手だけだけどなかなかうまくいかないで右手も使って調節している人、やっぱり難しいのですね。
ということは最初のアーミッシュの服を着たレポーターのおじさん、口では「うまくできない」と言っていたけれど、なかなかうまいものでした。
中でも、ドラムカーダーで板状にして染めたものを、ちぎっただけでGreat Wheelを使っていた人には感服!普通はちぎったものをまた筒状にして紡ぎます。

hiyoco さんのコメント...

私は糸車の仕組みを全く知らなかったので、あの大きなホイールに糸を巻き付けていくんだとばかり思っていました。スピンドルを回転させるための歯車のようなものだったのですね!
あのレポーターのおじさん、結構練習したんじゃないでしょうか(笑)。
ホイールが大きいと人の動きも大きくて、ステップ踏んだり、手を高く上げたり左右に振ったり、確かに踊っているようです!踏板があるとホイールを高速で回せるので、その分ホイールを小さく、糸車もコンパクトにできるのですね。あ~、踏板で、足踏みミシンの記憶が蘇ってきました(笑)。

さんのコメント...

hiyocoさん
踏板がある紡ぎ車は、はずみ車に力を送るための棒が、鉤型の金具にぶら下がっています。鉤型ですから、手で回したい方向に弾みをつけておいてから、足で踏んで棒を持ち上げて、その力が金具からはずみ車に伝わって回り、次に上に行った鉤型の金具についた棒が勝手に落ちてきてその繰り返しで回り続けます。
ゆっくり回そうとして、踏む力が足りないと、はずみ車が上がり切らないで止まってしまいます。というわけで、車は勢いよく回すのは簡単ですが、ゆっくり回そうとするとなかなかうまくいきません。
ところが足は手段で手で仕事をするので手の動きの方が大切です。手の速さに足の動き、つまりはずみ車の動きは連動しなくてはならず、手の動きに合わせて踏板はできるだけゆっくり踏んで、手と足の動きを合わせなくてはなりません。それが難しいのです!!!
さらに苦労しているのは、私の持っている紡ぎ車は昔の型で、直径が大きいのです。大きいというのはそれだけ踏むのに力が必要で、なかなかゆっくり回せない。ゆっくり回そうとすると止まったり、止まって反対回りしたりしてしまいます。
苦労しているんですよ(笑)。日本で近年開発された使いやすい紡ぎ車を使いたい!!!それでは、死蔵していた道具を活かしたいという当初の目的に反するので、もちろん使い続けるつもりです。