しかたなく、一本だけ残っている低い柱をつくっています。
以前、水平基礎を打ったときに埋めておいた鉄筋に、柱の高さに切った鉄筋を足していきます。
鉄筋は、抜けないように上も下も曲げておいて、結束線で結びます。
鉄筋は大いに錆びていますが、作業がちゃっちゃとは進まないので、しかたありません。毎度のことですから、気にしもしていません。
母屋のコンクリート打ちのときは、鉄筋はすべて手で曲げました。大きいものになると、一人がねじれないように鉄筋を持って、一人が曲げる棒を押してと、二人がかりでした。
柱に嵌める四角い鉄筋は、一本につき五回曲げることを繰り返さなくてはならないので、一日中鉄筋を曲げていた日もありました。
曲げる道具は、酷使したので摩滅して、途中で一度買い替えました。それほどたくさんの鉄筋を曲げたのです。
これは、十年くらい前の写真です。
後ろに見えるのは、OMソーラーの蓄熱板をつくるために、床下の蓄熱用コンクリートとその下の基礎のコンクリートの縁を切るために、間に入れた断熱材です。
やれやれ、これは思い出しても大仕事でした。
その後、作業棟の建設をはじめるにあたって、鉄筋曲げは機械化しました。
小さな機械ですが、鉄筋をはさみ、スイッチを押すと曲げてくれます。
力要らずになりました。
ただし、手で曲げるのと違って、ちょっとうっかり考えごとをしていたり、前に曲げたところの具合に気を取られたりしていると、すぐ直角を通り過ぎて、曲がり過ぎてしまいます。
曲げるのは機械化しましたが、鉄筋を切るのは相変わらず手作業です。 私は10ミリの鉄筋はなんとか切れますが、13ミリとなると、力不足で夫を頼むしかありません。
四角く曲げた鉄筋を、垂直の鉄筋に通します。
そして、結束線で、間隔を置いて結んでいきます。
鉄筋の四角い輪は、ちょっとでもサイズが大き過ぎると、型枠をはめられなくなります。かといって小さくつくり過ぎると、コンクリートの強度が落ちます。
ぎりぎりの大きさにつくるのですが、それでもねじれたりするので、型枠をはめるときにはいつも四苦八苦することになります。
四角い鉄筋を嵌め終わると、今度は柱が変形した部分に三角に曲げた鉄筋を足します。
曲がり部分が長すぎると、はめることができません。 直径10ミリの鉄筋は、手ではもちろん、ゲンノウで叩いても、ちょっとやそっとではびくともしません。
というわけで、後から、曲げた先を切りました。
最初から短くできればいいのですが、この短さでは機械に引っ掛かかりません。
三角に曲げた鉄筋を嵌め込んでから、水平に結びます。
これで、鉄筋仕事が完了です。
これは別の柱ですが、型枠を嵌めて、コンクリートを流し込むと、こんな感じになります。
右の細くなっているところが、三角形に曲げた鉄筋を入れたところです。
ところで、「夫は何をする人ぞ」とばかり、高い柱に登ってみます。
先日細工をしていた鉄骨が、型枠に突き刺さっています。左側はもう型枠で閉じていますが、右側はまだ閉じてなくて、鉄筋が見えています。
右部分の鉄骨はコンクリートに埋め込まれます。
右奥に見えている、もう一本の高い柱にも鉄骨を埋め込んで、最終的には両方の高い柱から突き出た鉄骨に、長い鉄骨をビス止めして渡そうとしているのです。
面倒な作業ですが、夫が何とも思っていないので、とやかく言う筋合いではありません。新しい試みは好きなのです。
久しぶりに高いところに登ったら、足がすくみました。
4 件のコメント:
現役を退いて久しぶりにジムクロー
(略してジンクロ)をみました。
今は電動なのですね。
ガスで伸ばすのは注意しないとセンターが移動しますからね、
パイプの場合は砂を詰めました。
懐かしくて一言、
何だかよくわからないけどすごいな!と思いました。
こういう建物は、いつも思いますが、きちんと計算して、その計算通りに作って進めないと(ずれないように)いけないですよね。1ミリのずれ、角度1度のずれが後で大きな「まずいこと」になるのではないかと気が遠くなります。建物を作る人とか地下鉄の駅を作る人とかすごい立体的な頭脳をしてるのだろうと思ってます。
力もいるし、頭もいるし…。
毛糸ならちょっと位ずれても、まあいいやと引っ張っておけますが(^^;)。
昭ちゃん
ジンクロって言うんだ。知りませんでした。教えていただいてありがとう。
使っていて名前を知らない道具はいろいろあります。結束線を結ぶ道具は家では「くるくる」、ピーコンを留める道具は、「トンボみたいなやつ」、それを絞める道具なんて、「ほれ、トンボを絞めるやつ」などと言っています。恥ずかしいので今調べて見たら、それぞれ、ハッカー、フォームタイナット、フォームタオナットスパナA型と言うものです。知りませんでした(笑)。
パイプだと曲げる時は砂を詰めるでしょうね。鉄筋はこれまでに何千回、何万回曲げたか、見当もつきません。
karatさん
すごいでしょう。私には頭が痛くて到底できません。母屋を建てるとき、敷地が傾斜地だったので基礎は最初二つに分けて打ちました。高さが違って、同じ場所からの測量はできなかったし、大きいものですから平行線を取るのに巻尺を二本使ったりして、上で最終的に基礎をつなげるときに曲がっていないのだろうかと心配しましたが、5ミリとずれていませんでした。
今つくっているものも、時間がかかっていますから、ガイドに張った水糸が切れたりして、柱と柱がお互いに平行か、高さはあっているのか、柱が曲がっていないかなどなど、気を配らなければならないことがいっぱいあります。私一人だったら、絶対やりません(笑)。
今日もちょっと出かけていたのですが、「私ならこの橋はつくれない」とか、「この道もつくれない」とか、そんなことばかり考えていて疲れました(笑)。
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