久米田康治の漫画『
かくしごと』が完結しました。
下品な漫画を描く漫画家の後藤可久司が、一人娘の後藤姫(4年生から5年生まで)に、父の職業のことでいじめられたりしてはいけないと、自分の職業を伏せておくために四苦八苦する物語です。
知られまいと気にしすぎて極端に走るお父さん、まったく気づかずおおらかな娘、アシスタントさんたちや無神経な編集者、ものごとをいつも深読みする姫の受け持ちの先生や同級生などが絡まって、お話がどたばたと展開していきます。
各巻には、巻頭と巻末に、4ページずつカラーページが入っていて、それには姫が18歳になったときのことが描かれていました。
カラーページをたどると、完結時期は10巻前後かと、あらかじめ予期されたことでしたが、見事な展開と着地でした。
さて、第12巻の完結編には、巻頭のカラーページがありませんでしが、巻末のカラーページが8ページに増大されていました。
そして最後に、お父さんだけでなく姫の方にも隠しごとがあったことが描かれています。
ちなみに、後藤可久司は、英文表記すると、KAKUSHIGOTO(隠し事=書く仕事=描く仕事)となり、娘の後藤姫は、HIMEGOTO(秘め事)というわけです。
下品な絵を描く漫画家が、次には下ネタ漫画家が自分の娘に職業を隠すというストーリーの漫画(つまりこの本のこと)を描くのではないかと示唆する場面もあり、ユーモアの利いた、とても素敵なお話でした。
2 件のコメント:
こんにちは。
僕も読みましたよ。
最初は10巻で終わるはずだったのが、アニメ化の影響で12巻になったらしいですよ。
かねぽんさん
そうだったのですか。でも、延びた感はありませんでしたね。漫画で終わりを決めて、そこまで話を持って行くって、結構難しいと思います。
江口寿史なんて、ハチャメチャになって、失速して、お定まりの休載でしたから、対比させても久米田康治の「りっぱさ」が目立ちました。
ただ、途中にある雑感(作者の独り言)は、字が小さすぎて、正真正銘老眼の私はほぼスルーしました。書きたいことがたくさんあるのはわかりますが、もっと大きい字で書いて欲しかった(笑)。
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