2022年2月18日金曜日

アンチモニーの鉛筆削り


アンチモニーの鉛筆削りです。
アンチモニーとは、鉛をベースに、アンチモンと錫を混ぜた合金です。左が32ミリ、右が35ミリほどの小さなものです。


一つは朝日(旭日)の模様、手前は波でしょうか。


そしてもう一つは扇の模様、肉眼ではよく見えませんでしたが、写真に撮ってみるとJAPANとエンボスがあるので、輸出用だったのかもしれません。
どちらも、2つに割れる鋳型と、その中に円錐形をつくる型の3つの型を使って鋳込んだものですが、模様がとても細かくできているので、土の型ではなく金属の型を使っていたのでしょうか?
しかし、大工場ならともかく、弱小工場で高価であろう金型を使うことができたでしょうか?
もし金型まで自分の工場でつくるとなると、融点の高い金属を溶かすための高温の炉がないとできません。
しかし、戦中は金属なら何でも溶かして武器や軍事用品につくりかえていたくらいだから、その技術を使って、こんなものをつくるのは、町工場だってもしかしたらお茶の子さいさいだったのかもしれません。


外側には鋳込んだときの「バリ」が出ていますが、鉛筆削りですから内側は、とてもスムーズな円錐形をしています。
鉛筆を差し込むところは、スパッと切った跡があります。その先がどんな形になっていたかは正確にはわかりませんが、何本かの湯道がついていて、それがいくつもつながっていて、湯口へとつながっていたのでしょう。
プラモデルの切り捨てる部分を想像するとわかりやすいのですが、金属の場合、切った湯道はまた溶かして、何度でも使うことができます。


それにしても、刃はどうやって仕込んだのでしょう?どちらも、刃の途中に切れ目があるのですが、それが刃をつけるにあたって何かの役割を果たしているのだと思われます。






 

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