2012年3月16日金曜日

骨董市で見つけた農具たち


苗代をつくるとき、苗床を平らに均す道具です。
杉の板に取っ手をつけただけ、単純ですが具合のいいものです。

田んぼに苗代をつくるのがたいへんで、途中から苗箱に苗をつくるようになったので、今では使っていませんが、以前は必需品でした。


骨董市で、これを並べていた骨董屋さんに、
「これ買ってどうするの?」
と聞かれました。
「苗代に使うのよ」
と答えたら、
「えっ、農業やっているの?おれなんか農業が嫌で骨董屋になったのに」
と笑われてしまいました。


今では、私の博物館の一部になっています。


もう廃業されましたが、以前、お願いするといろいろな農機具をさがしてくれた骨董屋さんがいました。
唐箕、千羽こき、餅つきの臼などさがしてもらいましたが、この手前の飼い葉切りも、そのえんどうさんが見つけてきてくれたものです。
上を向いている刃がむき出しなのも、昔っぽいところです。

稲わらを切って苗代にまいたりするのに使いますが、古いものでなかなかうまく切れず、ついに奥の黄色い台の新品を買ってしまいました。
今でも、ホームセンターで飼い葉切りを売っているなんて、考えてもみませんでした。

飼い葉切りは、ハンドルをあげ、わらをはさんで、下に押し切るようにして切断します。


今のものは、安全のためちゃんと刃のカバーはついているし、ハンドルを降ろすと、刃そのものが前後に移動して、切れやすく工夫されています。


鉄の道具にはついついひかれてしまう私ですが、10年ほど前に骨董市でこれを見た時には、なんだろうと思いました。
飼い葉切り?竹を割るもの?
骨董屋さんにたずねると、飼い葉切りには違いないのですが、生の草や残った野菜を突いて砕く道具だとのことでした。もちろん、牛や馬に食べさせるためです。


こんな道具が日本にあったなんて、全然知りませんでした。
「買ってどうするの?」
と夫。
まあ、その質問も無理はないのですが、資料的価値もあることだしなんて、邪魔くさいのに所蔵しています。


どこから見ても、美しい道具です。



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