日本全国の神社は、授与品として護符やお守りを用意しています。
護符やお守りだけでなく、絵馬、鷽(うそ)、鳩の笛や土鈴、犬張り子、招き猫、狐、さまざまな形の箱などなど、言われがあり、歴史があり、造形的にも優れた授与品を用意している神社も少なくありません。
その中にあって、興味深い授与品を、しかも多種類用意している神社の横綱と言ったら、鹿児島神宮ではないでしょうか。
左から鹿児島神宮の授与品の、羽子板、初鼓、鯛車です。どれも、独創性、意匠力ともに、とっても優れていると思います。
かわいい香箱もあったのですが、傷んで処分したのか、残念ながら姿が見えませんでした。
普通、鹿児島神宮の初鼓は直径7センチほどのものですが、これは 直径26センチ、長さ77センチもあります。手描きの絵が楽しいのです。
片側には初午の様子が描かれていて、馬の背にはこれと同じような初鼓が見えます。
今でも鹿児島神宮では、初午にはこんな祭祀が行われているのでしょうか?
その裏です。
1960年代、同級生たち10人ばかりで指宿の先の山川というところの湯治場で、一ヵ月近く、入れ替わり立ち替わり投宿したことがありました。
そのうちの三人ほどで、九州全県の窯元や郷土玩具製作者を訪ねたのですが、これはそのとき手に入れたものです。
紙ですから、年月を経て、すっかり古びてしまいました。
香箱同様、簡単に鳥居だけ描いた小さな初鼓は、傷んでもう手元にはありません。
鹿児島神宮は、行けばいつでも授与品が手に入りますが、今だに一年の決まった日にしか、授与品を授与しない神社もあります。
でも、他に大きな楽しみも少なく、ただただ縁日が待ち遠しかった昔と違い、今では思いたったとき誰でも参拝できるのですから、一年中いつでも授与品が手に入ったら、もっと神社も地域も賑わうのにと思ってしまいます。
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