2020年10月15日木曜日

ヒカラの蓋もの



1981年だったか、夫が初めてのメキシコ出張のときに買ってきてくれた、瓢箪の蓋ものです。
引っ越し荷物を八郷に運んだとき、ほかに置き場所もなかったので、段ボール箱に入れたまま、4年ほど湿気の多い地下室に積み上げていたせいで、表面に塗ってあった樹脂(メキシコ漆)が防水効果を持たなくなり、塗料全体が瓢箪から剥離してしまいました。無残な姿ですが、これに代わるものがない以上、捨てる気にはなれず、ずっと持っています。



中南米の雑貨を売っているネットショップをのぞいても、目につくのはペルーの瓢箪の蓋ものばかりでしたが、あるとき、メキシコの雑貨を中心に売っているネットショップで、メキシコのものを見つけました。
メキシコでは昔から盛んに瓢箪(ヒカラ)細工がつくられてきたのですが、多いのは盃で、蓋ものは、あまり見ません。ネットショップにあったとしても、1つとか2つだけ、それも瓢箪の形が悪かったり、絵つけが雑だったり、気に入ったのはすでに売れていたりと、なかなかこれはというものには出逢えませんでした。
そして、このオレンジ色の蓋ものに出逢ったのは、メキシコの瓢箪の蓋ものを売っているのを見つけてから、何年も経ってからのことでした。
オレンジ色の蓋ものは形も模様もまあまあ気に入って、一件落着したのですが、最近、元のと色が似たのを見つけてしまいました。


メキシコでは瓢箪細工は、ゲレーロ州のオリナラが有名ですが、これは南東部のチアパスでつくられたものだそうです。
瓢箪の蓋ものはもういっぱい持っているのだからと迷いましたが、何年振りかにメキシコ雑貨屋さんをのぞいたのもご縁、黒地の瓢箪に出逢ったのもご縁と思い、買ってしまいました。


元々あったのが、傷ついてさえなかったら、我が家に来ることのなかった瓢箪たちです。

さて、私のものではないけれど、メキシコのヒカラ細工を以下に載せておきます。



まず、もっとも一般的な盃、オリナラのものです。
ほとんど、水鳥が描かれています。


やはりオリナラの蓋もの、SOLD OUTのものですが、素敵です。こんなのが欲しい!



ミチョアカン州のウルアパンという、小さな町のもの、つまみは木彫りのハチドリです。
これは今でも手に入りますが、野口英世さん2、3枚では無理、福沢諭吉さんにもお出まし願わねば手に入らないものです。


さて、いよいよ、古いのが捨てられる?
三者三様、まぁ、当分は捨てられないでしょう。




 

4 件のコメント:

karat さんのコメント...

この蓋物はもしかして、どの方向でも蓋が閉まるというのではなくて、きちっと蓋が閉まるのは一か所だけで、どこで閉まるかな?と探す系ですね?
以前ロンボクで焼き物の蓋つき蚊取り線香入れを買いましたが、この蓋の波波が自由に入れてあって(このヒカラの蓋物のカットによく似てます)、どこで閉まるかな~と探すのを思い出しました(^^)。

さんのコメント...

karatさん
合うのは一か所だけです。
それでも切り方には、台形続きのような決まった形があるようですが、オレンジ色のは、勝手にナイフを入れています(笑)。瓢箪があまり乾いてないうちに切ったら歪んでしまいそうだし、かといってカチカチに乾いたら割れやすくなるだろうし、こんなこと一つとってもころあいというか、経験に基づいた切り時というのがあるのかもしれません。
元からあるのは模様に、明らかに正面と裏側がありますが、ほかのは連続模様でどこが正面というのはないようです。

hiyoco さんのコメント...

蓋が波々なのが面白いですね!
どうやって作るのか気になって探したら動画がありました。何言っているのかさっぱりわかりませんが(笑)。https://www.youtube.com/watch?v=SdDkX0P070o

さんのコメント...

hiyocoさん
ありがとう。あてずっぽうでつくり方の説明をしていたけど、まあまあ、そう違ってもいませんでしたね。私もつくっているのを初めて見ました(笑)。ありがとう。
砥の粉みたいなのとか染料とか全部瓢箪容器に入れられていて、感動しました。瓢箪はアフリカ原産だけれど、最古の栽培植物、いったいいつ頃から世界中に広がっていたんでしょうね?どうも、瓢箪が水に浮かんで海を渡って漂着した種から増えたらしい。興味津々です。日本も9600年ほど前のが見つかったって!
カンボジアの北部に住んでいる人たちも瓢箪の水入れを使っていて、欲しいと言ったら水を入れ続けないと中にカビが生えるからと釘を刺されました。瓢箪の中に発生したカビで、それまでに何人もが命を落としたのだろうと思ったら切なくなりましたが、今はペットボトルを使っているのでしょうね。
世の中、よい方向に向かっているのかどうか?