青い色と、赤い天馬に惹かれて、この缶を手に入れてから、ずいぶん時間が経ちました。
「馬印青色ゼンマイ」缶は、時計のゼンマイ入れです。
時計のゼンマイって、あの下に振り子のついた柱時計のことでしょうか?
祖母の家の柱時計は、祖母の箪笥と母の箪笥に挟まるようにして、柱に掛けてありました。確か、毎日ゼンマイを巻いていたような気がしますが、子どもには手の届かない高いところに掛けてあったので、触った記憶はありません。
缶には、このゼンマイの特徴が印刷してあります。
「本品ハ東洋ニアラザル新案化学的電気炉ニテ焼入レ焼戻シ特殊方法ニヨリ加工シタルモノ故ニムラナク切レズ強力共ニ特徴デアリマス」
ん?後ろの方、文法がおかしい!
「東洋ニアラザル化学的電気炉」でつくられたということは、少なくとも中身のゼンマイは外国製だったのでしょうか?
縫い糸を入れるのにちょうどいいのですが、裁縫道具や材料が分散しすぎているのに、これ以上箱を増やしてどうなりましょう?
いまでも裁縫箱が多すぎて、裁縫するたびに、
「ゴム紐はどこ?」
「レースはどこ?」
と、ばたばたしています。
しつけ糸なんて、とうとうどこかへ消えてしまって、さがしても出てきません。
というわけで、裁縫箱にはならず、鏨(たがね)入れに落ち着いています。
もっとも、彫金をやっているわけではあるまいし、鏨はほとんど使わないので、缶を活用しているとは言い難いのですが。
3 件のコメント:
これは時計屋さんが修理に使うゼンマイ入れみたいですね、
柱時計から腕時計とネジを巻く時計は全部ゼンマイを巻くことで動きますね。
昭和32年電池時計が出始めましたが私は二週間巻きの掛け時計を3300円で購入しました。
高い買い物でしたが33年正確に動いてくれましたよ、昔は絶えず巻いていましたからね。
音はすべて騒音匂いは環境が悪いですべて片付けられてしまう時代ですね、
柱時計の振り子や時報、懐中時計の音まで。
市場の騒音や匂い子供が騒ぐ声まで消えてしまいました。
昭ちゃん
昭和32年ごろでしたか、電池時計が出はじめたのは。
祖母の家(私は預けられていました)では、たぶん新しもの好きの叔父が買って来てくれた、長四角い、たぶん薄緑色をしたような電池時計が、ゼンマイ時計の座を奪いました。
そこだけ光って輝いているようでしたが、今考えると残念でした。昔は腕時計も、暇さえあればねじを巻いていましたね。
そう、音や匂いが消えて本当に鈍感にならされています。今、昔の話を読んでいるのですが、「疲れた馬の匂いをたどって追跡する」とか、「キツネの匂いのするけもの道で気分が悪くなりながら」なんてところを読んでいると、イノシシの足跡を見ても、獣道を見ても、何も匂わない自分がもどかしく感じます。
もっとも、近所のおばあちゃんが注意しても注意してもビニールを燃やす匂いには敏感ですが(笑)。
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