先日、東京郊外の実家に母を見舞いました。
すると、妹のデスクの上に、『夏目友人帳』(緑川ゆき著、白泉社、2005年)が数冊、重ねて置いてあるのが目に入りました。
「あっ、まりちゃん、ニャンコ先生読んでるんだ」
「一巻を読んだら、わりとおもしろかったから、六巻まで買ったんだけれど、同じような話だし、読む暇もなくて。持ってって、先に読んでいいよ」
妹は仕事を持っている上に、母の世話で、忙しい毎日を過ごしています。
ニャンコ先生のフィギュアは大好きで、たくさん持っています。
でも、フィギュアの大もとである漫画、『夏目友人帳』は、これまで読む機会がありませんでした。
『夏目友人帳』は、普通の人には見えない妖怪が見える、高校生の夏目貴志のお話です。
夏目は、小さい頃両親と死に別れ、親戚をたらいまわしされて育ちました。周りの人に妖怪を見た話をすると気味悪がられ、嘘つきと言われ、みんなに疎まれてずっと一人ぼっちでしたが、今は優しい夫婦に引き取られて平穏に暮しています。
ところが、同じく妖怪が見えた、亡き祖母のレイコが妖怪たちの名前を記した「友人帳」を手にしてから、妖怪たちとかかわる機会が増えて、いろいろな面倒に巻き込まれます。
読みはじめは、ちょっと苦戦でした。
手書きの字が小さ過ぎてほとんど読めず、一つのお話も長くて、だんだん読むのがめんどうになってきました。一話が長いだけでなく、とくにクライマックスになってくると、クローズアップした部分的な絵の組み合わせが多くなって、誰と誰が戦っているのか、どちらがどうしたのか、パンチしている手は誰の手かといったことが、全然わからなくなり(わかりにくくなり)、二巻ぐらいですっかり疲れてしまいました。
それでも読み進んでいると、あら不思議、慣れてくるものです。
クライマックスシーンは相変わらず手だけが写っていたりして、何が起こったのかわからないのですが、こちらの想像力がついていけるようになってきました。
さて、全然知りませんでしたが、見慣れた丸っこい、かわいいニャンコ先生は、実際は夏目の後ろに見える大きな獣の、斑(まだら)という名の妖怪で、猫ではありませんでした。
ニャンコ先生は、夏目の用心棒と名乗り、妖怪ですが依代(よりしろ)と同化しているので人の目に見え、夏目の飼い猫として一緒に暮らしています。
ニャンコ先生は、夏目がピンチの時しか変身して斑になりませんが、妖怪のニャンコ先生もなかなか魅力的でした。
その夢というのが、ニャンコ先生もちらっと出てきた、『夏目友人帳』的な夢でした。
寝る前に読み過ぎたのかもしれません。
2 件のコメント:
ニャンコ先生、ずら~りですね!
わたしもマンガ読んだことないのですが、
読んでみようかなあ。
しまとかげさん
『夏目友人帳は』吹き出しと言いましたっけ、台詞が誰のものだか全然わからなかったりして、最初はけっこう読みづらかったです。
と言いながら、妹から借りたのは読んでしまい、実は10巻まで買って読んでいるところです。ずいぶん(読みづらいのには)慣れました。それに、一話読み切りですが、おもしろい展開になって来ていて、いよいよ11巻以降を買うかどうかという地点に来ています(笑)。
夏目も、ニャンコ先生も、妖怪たちもかわいいですよ。著者自身が描きながらぐんぐん成長しているみたいで、勢いを感じます。
最初より、読み進んだ方が面白くなりました。
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