「あれっ、インドネシアにもいらしたのですか?」
と、とんちんかんなことを言ってしまいました。
網代編みでつくっているところ、赤や黒に彩色したラタンで斜めに模様をつくるところ、ラタンが柔らかくてしなるところなど、インドネシアやマレーシアの先住民がつくったものだと思ってしまいました。
「いえ、ブラジルでよく使われている籠です」
私の持っているマレーの籠の中にそっくりなものがあったらお見せしようとさがしてみましたが、一目見ただけでそっくりというものは見つかりませんでした。
それでも、原理が似たものがいくつもありました。
「わぁ、さすがにアジアは細かいですね」
まぁ、そうとばかりは言えないかもしれません。というのは、私は細かいもの、大まかなものいろいろ見ましたが、たぶん細かくできているものを選んで手に入れてきたのだと思います。
網代編みで模様を出しているのですから、ラオスのもち米入れとも似ています。
ただ、ラオスの籠の模様は幾何学模様ではなくて、文字(ラオス語)が書かれています。
バリの古い籠と比べてみると、さすがに模様の細かさが違います。
このような編み方の籠は、底、しかも底の四隅が一番傷みやすいのですが、バリの籠は底は太いラタンで編んであります。
右はボルネオ島サラワクの籠、網代には編んでないのですが、似たつくり方で、籠全体がしなやかにたわみます。
ラタンはヤシの一種で、その属の中に380種類くらいあります。
ボルネオの熱帯多雨林とアマゾンの熱帯多雨林では植生は違いますが、気候環境が似ているので、似たようなラタンが採れるのかもしれません。
『FOLK ART OF THE AMERICAS』より |
『FOLK ART OF THE AMERICAS』の中に、似た籠を見つけました。この本によると、この籠をつくっているのは、ティリヨーという先住民だそうです。
いただいた籠もティリヨーの人々がつくったのでしょうか。
2 件のコメント:
ふぢこさんの旦那さんはブラジルの方なのですか?前に象牙の代用の豆ももらっていたような。。。
バリの籠の細かい模様、すごいですね!アタの籠も繊細ですもんね。偽時計を売って来るチャラいバリニーズのイメージと繋がりません。バリの籠は二重になっているのですか?中側に太いラタン(?)が見えているのですが。
トラが「飽きたわ~」と言って去っていくように見えて可笑しい!
hiyocoさん
ふぢこさんのだんなさんは、日本人です。お話を聞いてもうろ覚えですが(笑)、アマゾンの森林に住む動物の研究をなさっていたような気が...。間違っていたらごめんなさい。植物ではなかったような。でも植物にも詳しい方です。そうそう、前にもいろいろいただいています(^^♪ブラジルのもの、増殖中です。
東南アジアでは細かい模様を出すため、二重にしている籠はよくあります。これもそうですね。売るためにつくったのではなく、「素敵な籠を持っていたい!」という自分の気持ちに従って細かくつくられた籠だと思います。かつて、バリは、手の込んだ仕事の宝庫でした。さっと作ってさっと売ろうという時代になってからでは、なかなか良い仕事ができないと思います。
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