2020年10月4日日曜日

墨汁ビン

骨董市で、ガラス骨董のわじまさんは、いつも細々したものをきれいに飾りつけています。
飴屋ビン、猫ビン、ガラス皿、剣先コップなどが美しく並び、目薬ビン、インクビン、薬ビン、軟膏ビンなどもきちんと分けられて、箱に入れられています。
そのうちの、一番ガラクタの入っている箱をのぞきます。
ラベルは傷んでいるし、蓋もないニシキ糊のビンがありました。我が家にニシキ糊のビンがあることは確かですが、小さいビンだったか大きいビンだったか、そのとき覚えていませんでした。というのも、糊ビンには、赤白黒の3色を使ったラベルが多くて、デザインも似通っているので、どれがどれだったか分からなくなってしまうのです。


 迷いながらほかのビンに目を移すと、麻紐でくくったビンがありました。
「これも、インクビンですか?」
「いや、墨汁ビン。インクビンより口が大きいでしょう?」
「そうか!筆を直接突っ込めるというわけね」
「そうそう、紐がついているから柱にちょっと掛けたりもできるよね。墨汁ビンは珍しいよ」
珍しいという言葉に弱いわけではありませんが、糊ビンのことは忘れ去って、墨汁ビンをいただいてきました。



大福帳は、明治のものでも墨で書かれています。こんな墨汁入れがあったら、確かに便利でしょう。丁稚に墨を磨らせて、空にならないよう、いつも墨を補充させておくのです。
「しまった、どんな蓋がついていたのか訊くのを忘れてた!」
と思いながらごしごし洗うと、ビンはすっかりきれいになりました。


きれいになったのを見てびっくり、それまで気づかなかったけれど、口の内側が磨いてありました。ということは、落とし込み式のガラスの蓋を使っていたのです。


ところで、箱の中にあったニシキ糊のビン、調べてみたら我が家にはありませんでした。それは中くらいの緑色のビンでしたが、私は小さくて無色のビンしか持っていなかったのでした。
もう一度行く?
いえいえ、マスクをしなくてはならないし、入り口で検温しなくてはならないし、検温済みの札を首から掛けなくてはならないし、面倒と言えば面倒、たぶん行きません。







10 件のコメント:

昭ちゃん さんのコメント...

父が


















 父が町内の役員をしていたので謄写版が有り墨汁瓶も見たような、、、
先輩になるとカバンの中はインキ瓶でした蓋は確り締めないと。








ぢょう

さんのコメント...

昭ちゃん
わぁ、墨汁ビンを知っているんですか!すごい!!!
インキビンは、携帯するといろいろ問題ありそうですね。墨汁も、習字の時間たいてい服につけてしまって、子どもたちの多くは墨あとのある服を着ていました(笑)。何度も洗濯した墨あと、今背も目に見えるようです。

昭ちゃん さんのコメント...

ドッキリ文鎮がありましたね、
インキ瓶が倒れ流れだしたような文鎮で誰でも経験済み
一瞬ドキっとします。

さんのコメント...

昭ちゃん
一瞬なにかと思いましたが、ありましたね。インクがこぼれると、ほんと厄介でした。
中指のペンだこに、私もいつもインクをつけていましたが、もうペンだこもなくなってしまいました(笑)。

昭ちゃん さんのコメント...

パソコンとスマホがあればすべてが済みますね、
私は今筆で書く面白さに嵌っています
面白いですよー  時間に追われない人生だもん。

さんのコメント...

昭ちゃん
字が書けない(笑)。焦ってしまいます。絵も描けない。仕方ないですね。

ねこさん さんのコメント...

サイズが分からないので間違ってるかもしれませんが、白粉の瓶に見えますね。

さんのコメント...

ねこさん
初めまして。コメントありがとうございます。
白粉って、おしろいのことでしょうか?それにしてはデザインがあっさりしすぎているようだし、見たとき内側が黒く汚れていたので、おしろいではないと思います。
その昔、お隣のおばさんの鏡台は母屋ではなくて納屋の方にあって(ゆっくり化粧したいから?)、その家の子どもと遊ぶとき、いつもたくさんの凝った形の化粧水のビンが置いてあるのを、物珍しく眺めていました。形も色もいろいろでした。

hiyoco さんのコメント...

白粉のビンってデザインが凝ってるのかな?とネットで見てみましたが、中山太陽堂のクラブ白粉のビンは蓋は凝っていますが、本体はこのビンと同じようにシンプルでした。春さんがお持ちの練白粉のビン(http://koharu2009.blogspot.com/2015/01/blog-post_19.html)もさっぱりしているような~。
白粉の空きビンに黒いものをいれていたとか?でも墨汁はどうかな?保管するなら口を小さくして蒸発を少なくしたい気がします。
ところで、古いインクビンを検索するとよく首に紐が付いているのですが、インクビンをぶら下げて使っていたんでしょうか?

さんのコメント...

hiyocoさん
わぁ、中山太陽堂の白粉ビンは確かにそっくりですね。ありがとう。
ねこさん、見てくれているかな?よく調べもせず、失礼してしまいました!ごめんなさい。
自分のブログも見ました。開けられなくて、あとでさわださんに開けてもらったビン(http://koharu2009.blogspot.com/2017/08/blog-post_25.html)も、確かにやっぱりデコラティブではなくて似た形をしています。
墨汁ビンでも検索してみましたが、白粉ビンよりちょっと扁平なような。
あのビンが黒かったのは、後で黒いものを入れたのではなく、残った白粉が変質したということも十分考えられますね。紐だけがちょっと気になるけど。