今年のお正月に、九州から遊びに来ていた孫のたけちゃんが、坊さまの鉢に過ってぶつかり、蓋が割れてしまいました。
そこいらに置いていた私がいけなかったのです。
焼きものとして古いものではないし、たいして味があるというものでもない、捨てればすっきりすると思いながら、坊さまの模様がついているということが引っかかって、捨てるのははばかられました。
焼きものですから金継ぎしてもらうという手がありますが、きっと買った値段より高くつくはずです。そんなにまでして修理するかどうか、考えているうちに月日がどんどん経ちましたが、8月の半ばに、思い切って金継ぎをしてくれる「ほん陶」さんに写真を送って、見積もっていただきました。
案の定、金継ぎの値段は蓋ものの値段より高いものでした。しかし、派手に割れているわりには安い。ほん陶さんは本当に良心的、これでたくさんの坊さまが救えると思うと、こころから安堵できるものでした。
割れた鉢を、同じく欠けた湯飲みとともに送ってから約3ヵ月、しっかり包装した上をラップでぐるぐる巻きにして、さらに緩衝材を入れてと、厳重に梱包されて送り返されてきました。
最初、内側が目に入りましたが、内側を見ただけで、素適に変身しているのがわかりました。
外側から見ると、さらに素敵です。
破片になっていたときは、とげとげして、触るのが危険な感じすら漂わせていましたが、ひたすら穏やかです。
手前の湯飲みは、薄手のためか土の性質かすぐ欠けるもの、すでに幾つもなおしてもらっているのですが、これももう捨てようかどうしようかと迷いながら1年以上取っておいたものです。
さて。これまでまったく気づいていませんでしたが、鉢の蓋には釉薬に気泡ができてそれが割れたような傷がいっぱいついていました。
のっぺりしていたとばかり思っていたのですが、なかなか面白い。こんな傷が親しみを増します。
お菓子や常備菜など、いろいろ入れて使っていきたいと思います。
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