2021年12月14日火曜日

糸づくり

昨日は織物教室でしたが、私の糸車は、ボビン(糸巻き)の穴をドリルで広げたにもかかわらず、相変わらず絶不調です。


 というわけで、教室の糸繰機をお借りして、糸を撚る練習をしました。


それに先立って私が家でしていた宿題は、洗った毛から毛先を見つけて揃えて、梳くことです。


毛先は寄り集まって、ちょっと汚れが残っています。洗うとき気をつけて、かき回したりしなかったのですが、毛先はあちこち勝手な方向を向いています。


それを、なるべく壊さないように向きを揃えて小分けします。


そして、上向きに置いたカーダーに引っかけて引っ張って梳くのです。毛先をほぐしたら、毛元もほぐします。


こうやって、夜な夜な梳いた毛は290グラム、段ボール3箱分になりました。



さて、糸を紡ぐ練習用には毛足の長い長毛を用意していただきました。
これは染めた毛ではなくもともとこんな色の毛で、濃い茶色に薄い茶やときに白毛が混じっていて、美しいものです。


この毛を少しづつカーダーの上に広げ、何度かくしけずって毛の向きを揃え、板状になったものをくるくると巻いて、棒状のものをつくります。
それを、糸繰機で撚りをかけながら糸にするのですが、「昔取った杵柄だって?」、いえいえ身体がまったく覚えていません。
足はできるだけゆっくり踏まなくては手がついていかないのですが、ゆっくり過ぎて止まって反対に回ったり、手に気を取られているうちに足に力が入りすぎてはずみ車が速く回りすぎたりします。
左手は、動かさないで定位置に置き、撚りをかけるときは指から先の毛に撚りがかからないようにつまんでおき、撚りがかかったところで指の力を抜いて支えるだけにして、同時に右手で毛の伸ばして撚りを伸ばした部分に呼び込むのですが、その繰り返しができません。
また右手は、糸にする分だけの毛(左手の指から10センチ弱)のところをつまんで、左手の指を緩めると同時に50センチくらいに引っ張って伸ばしますが、伸ばすのと左手の指を緩めるのが同時でないと、毛の塊は撚りがかかってないので切れてしまいます。また、伸ばしきらないうちに撚りがかかったら、太いのにもう伸びなくなってしまいます。
「わっ!」
慌てると、じっとしているはずの左手が左右に動き、右手もちょこまかと動いて、ちっとも糸になりません。
頭も手も足もばらばら、
「もう、いや!」
という状態になってしまいました。


そんな私が悪戦苦闘した、糸とも言えない代物です。
「そのうちコツがわかるから」
「コツがわかったときの快感は何とも言えないから」
「そのうちくせになって、糸ばかりつくりたくなるから」
と、Kさんはじめ、教室の先輩のOさんやEさんが慰めてくれますが、道は遠そうです。

宿題として持って帰った長毛ですが、やっぱり私の持っているカーダーではうまく糸を梳けないことがわかりました。面が波打っているだけでなく、反っているとはいえ平面に近いというのも使いにくさの原因のようです。教室で試してみたカーダーも、面が太鼓になっていていて、クッションが効いたカーダーが一番使いやすいものでした。それを注文したので、届くのが楽しみです。
Kさんは日本の織り機や糸繰機の使いやすさを、折に触れて話されています。
私が織物を習っていた1970年代、日本の織り機や周辺機器は、使い勝手がすごく悪いもので、そのときのF先生は日本の道具の使いにくさを話されていたし、私も実感していました。それが、日本で手織りする人が増えるとともに、織り機なども使いやすいものになっていたのです。








2 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

春さんが慰められる立場なんて想像できません(笑)。
スピンドルを回して糸を紡ぐ動画を見ましたが、魔法のようでした。

さんのコメント...

hiyocoさん
しっかり慰められています(笑)。
動画を見たのですか?見るとやるとは大違いです。
足が止まって慌てる、糸にスピンがかかって伸びなくなって慌てる、糸にスピンがかかってなくて引っ張ったら切れて慌てる。
「もう、やってられねぇよ」
と開き直ったところで、どうにもならない。
そのうち、
「あら、手も足も脳も勝手に動いてますわ」なんて、すいすいできるようになるのでしょうかね???