2021年12月27日月曜日

織物教室


織物教室のお仲間のOさんが、長さ5メートル越えの布を織り終わりました。半分に切ってつなぎ合わせて毛布にするのだそうです。
白く見えている糸は、もともと織り機につけておいた糸、こうやっておくと次に織るとき、いちいち綜絖(そうこう)と筬(おさ)に経糸(たていと)を通さなくても、この白い糸につなぐだけでよいとか。
私が昔織物を習ったときは、織り糸に、羊毛だけでなく木綿、絹なども使い、つくるものによって経糸の本数も太さも違ったので、このように「足す糸」を使わず、直接織り機に経糸を結んで、そのつど綜絖通し、筬通しをしていました。綜絖は、写真の織り機のような金属のものではなく糸綜絖だったので自由に動かすことができ、筬はその都度、目の細かいものや荒いものを選んでつけ替えていました。
でも、Kさんの教室では織るのは自分の紡いだ羊毛なので、ほぼ糸の太さは決まっているし、経糸の密度もそう違わないので、こうしておくと手間と糸の節約ができるというわけです。


半分に切って模様合わせをするため織りあがった布を床に広げると、早速Kさんちの猫のクリちゃんが乗る気満々で、近づいてきました。


しかし、ざっくり折ってある糸に爪に引っかけるとまずいので、クリちゃんは隙を狙っていたものの、乗らせてはもらえませんでした。


房をつくるため、織らないで空けておいたところを切り離します。


そして、つき合わせて模様のおさまりを見ています。
織った部分は巻き取っていくので、織りながらでは織りあがった部分を見ることができません。このようなアトランダムな模様では、あらかじめ綿密な計画を立てておくか、あるいは気ままにやって出たとこ勝負するかしかないのですが、果たしてOさんの場合、どっちだったのでしょう?
色がとてもきれい。原毛を洗い、天然染料で染め、そして糸に紡ぎ、経糸を整経して織りあげたものです。
織物は、ペルシャ絨毯のようなものでなければ、市販の糸を使ったとしても、織り機に経糸を掛けたところで、ほぼ75%くらい仕上がった気分になります。そして、織る作業に使うエネルギーが20%、仕上げが5%といったところでしょうか。
しかしこの場合、糸紡ぎからやっているので、経糸を織り機に掛けたところですでに85%仕上がったくらいの気分だとおもわれます。そして、織りが10%で仕上げが5%くらいの配分かと思います。
これから房をつくったりお湯で布を整えたりするのですが、仕上げると織りあがったときの硬さが取れ、とてもしなやかな風合いになります。
写真にはよく写っていませんが、少量の朱色の糸が効いています。また、二重織りなので裏表反対の色が出る、つまりサーモン色や黄色の裏はグレー、グレーの裏はサーモン色や黄色になっています。







2 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

優しい素敵な色合いですね。どの色をどれぐらい用意するかが難しそうです。基調のグレーが最後足りないとかなったら困りますよね。
猫と毛糸は切っても切れない仲なんですね(笑)。

さんのコメント...

hiyocoさん
これは経糸で模様を出す織り方なので、経糸の色がおもに見えます。だから織る前の、成経した時点でグレーが充分であればそれでいいのです。緯糸は何色を使ってもほとんど目立ちません。成経するとき、グレー、黄色、グレー、黄色、グレー、サーモン.....という風に、1本おきに並べます。織り方は平織りですが、経糸が詰んでいるので緯糸の上になった色が目立ち、裏表が反対の感じになります。
この布を1㎝角に切り取って見ると、経糸が8本のところに緯糸は2本くらいしかないのだと思います。

実際は糸をかせにしたとき、必ず重さと長さを記録しておくので、このくらいの大きさのものをつくるなら何グラム必要と計算してやっているようですよ。
クリちゃんは誰の膝でも空いていればすぐ乗ろうとするフレンドリーな猫ちゃんです。膝をついてお尻をあげている人のふくらはぎにも乗っていました(笑)。