栃木県の宇都宮には、黄鮒というかわいい張り子があります。
赤い顔、黄色い身体、緑のヒレという斬新な扮装(いでたち)をしています。
明治中頃からつくられはじめ、疱瘡除け、魔除けとして、正月六日に双葉山神社の社前で、十日には市内の初市で売られ、子どもの健康のお守りとして、とても人気があったそうです。
赤いものが多い疱瘡除けグッズのなかでも、黄鮒は斬新です。
黄鮒の言い伝えは、天然痘にかかった子どもが、魚を食べたいというので、近くの川に釣りに行ったら、黄色い鮒が釣れ、これを子どもに食べさせたら、たちまち治癒したというものです。
海のない宇都宮では、肉を食べられなかった江戸時代には、鮒はさぞかし重要なタンパク源だったことでしょう。
我が家の黄鮒は、もう、少なくても四代目です。
別に壊れやすいわけではないのですが、色は褪せます。新しいのが目についたら、ついつい買ってしまって、同時に三匹もいたこともありました。
ところが、今回、荷を解いてずいぶん経つのに、黄鮒が見えません。
他にも見えないものがあるので、もしかしたら、地下室のどこかからひょっこり出てくる可能性がないわけではないのですが、先日、宇都宮を通ったとき、買ってしまいました。
黄鮒の土鈴も買いました。こちらは初めてです。
張り子と土鈴では、ちょっと感じが違いますが、土鈴は置く場所を選ばないし、色も褪せにくいだろうと思います。
いつまでも、形も同じでつくり続けられていて、嬉しい黄鮒です。
2 件のコメント:
先日の鍛金物も素晴らしいかったですが、
日本のも力が抜けていていいですね。
我が家の保育園児がありとあらゆる病気を律儀に貰ってきて、大変な日々です。
正に今、買い求めたいアイテムです。
鍛冶耕治さん
私もそんな幼稚園児でした。というか、他の親が私にうつされたと、騒いだそうです。でも、息子たちはあまり病気しませんでしたから、黄鮒のご利益があったのかもしれません(笑)。
鴻巣人形をはじめ、日本の玩具には子どもの健康祈願のものが多いですね。
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