日曜日に母を訪ねたら、
「これが最後の鍋つかみ」
と、魚をアップリケした鍋つかみをくれました。もともとつくりためておいたものが、一つだけ残っていたようでした。
「もう、つくることも、使うこともないから」
と、母。
同居している妹が欲しがらないのかと思いましたが、
「私はもっと大きいのを使うから」
と、全然関心を示しません。
どうやら、母のまわりで喜んで使っているのは、私だけのようでした。
母のつくる鍋つかみは、五十年一日です。私がまだ一緒に暮らしていたころから、台所にはこんな鍋つかみがぶらさがっていました。
無地のウール布に、綿を入れたアップリケをしてあります。
太い糸で地をキルティングするとか、裏地(チェックのウール)にも気を使うとか、もう少し何とかすれば、味のあるものになるのにと思いながらも、そうなっていないのが母らしいところです。
また、バランスを考えないで、これでもかとアップリケをてんこ盛りにしてあるのも、母らしいところです。
我が家では、思えばずっと母の鍋つかみを使ってきましたが、擦り切れたり、汚したり、片方を焦がしたりして、今はペアでないものがぶらさがっています。
手元にあるのは、以前もらったお鍋模様のものと、
クワイ模様のもの、そして今回もらった魚模様の三種類です。
仕事は速いけれど、大雑把な母です。
しかし、いくら雑と言っても、クワイの鍋つかみの下地の布が左右で違うのは、雑すぎます。
きっと、いくつもつくって箱に入れていたときに、ペアが離れてしまったのでしょう。
2 件のコメント:
なべつかみを探していてたどり着きました。
なんて可愛いんでしょう。。。
一目惚れしました。
おし乃はん
コメント、ありがとうございました。そして、母の鍋つかみを気に入ってくださって、ありがとうございます。
以前は一組しか使っていませんでしたが、今は二組、それに市販のミトン形のも使っているので、「どこでも鍋つかみ」状態です。
母の鍋つかみは、端を焦がしたり、油が染みついたりと、年季の入った状態ですが、私には長年馴染んだもの、いつまでも使っていきたいと思っています。
コメントを投稿