手書きの『のらつうしん』という瓦版を出していて、自然観察の「のらの会」の活動を中心に、ビーチコーミングのこと、新聞記事などなど、いろいろ取りあげられています。
その『のらつうしん』に、ときおり本の紹介も載っています。
絵本・児童書から博物誌の本、民族学的な本などなど、幅広い本が紹介されていますが、のらさん的な潔さで、ときには、「どこがおもしろいのかわからない」などと評価されている本もあるのが、おもしろいところです。
そんなのらさんがおもしろいと言っていた、『アイヌの四季』(計良智子著、明石書店、1995年)を買ってみました。
織田ステノさん |
著者の計良さんは、アイヌの血が混じっていますが、アイヌのことを知らずに成長します。
長じてからアイヌのことを知りたいと思い、フチ(おばあちゃん)の話をいろいろ聞くうちにさらに興味が増し、とうとう家庭を夫に預けて織田ステノさんの家に一年住み込み、春夏秋冬の手仕事や料理のことを学んだり、習ったりした方です。
オオウバユリ、でんぷんを取り、保存食をつくる |
それをもとに、豊かなアイヌの生活を描いたのがこの本です。
アイヌの女性たちが(男性たちも)動植物の生態を知りつくし、季節ごとの自然の贈りものを心待ちにしながら、春夏秋冬きめ細かく暮していた、その豊かさが目に浮かぶような本でした。
『アイヌ・暮しの民具』(萱野茂文、清水武男写真、クレオ、2005年)も一緒に買いました。
たくさんの写真でアイヌの衣食住を紹介した、萱野さんの文もおもしろい、こちらも見応え、読み応えのある本でした。
とくにおもしろかったのが、「どんなものにも役割と呼び名」があるということでした。
例えば家をつくるとき、窓は三つつくります。その三つの窓はそれぞれ、濁り水を外に投げる窓、光を受ける窓、そして、正面東側にあるのは上座の窓と呼ばれ、上座の窓は最上位の窓で、イヨマンテのときに、道具を出し入れするのに使います。
人は人だけで生きていないということが、とても感じられる本でした。
アタッ、開き干しの鮭 |
イナウもいろいろなイナウがあって、興味津々でした。
のらさんは、『アイヌ植物誌』(福岡イト子著、草風館、1995年)もおもしろいと勧めてくれましたが、北海道の植物を実際に見る機会がないだろう、それではもどかしさがきっと残ってしまうと、その本は、残念ながら手にしませんでした。
2 件のコメント:
わー!春さんは、のら通信を読んでいるんですね。私は申し込みまだしていないんです(T_T)北海道のBC、行ってみたいなー。アイヌの本、面白そうですね。
mmerianさん
のらつうしんも、アイヌの本もおもしろいです。北海道の浜は石も瑪瑙もガラス浮きもチョウチョガイもみんな魅力的、そしてアイヌの博物館も魅力的ですが、なんか行きそうな予感が全然しません(笑)。
北海道は昔はもっと遠いところでしたが、でものらさんと知り合って、少し近くなりました。まあ、別の言葉で言えば、避けているのです(笑)。いつか変わるかもしれません。
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