愛知県名古屋の臼搗きです。
ちょんまげを結った人が、台の下にある棒を左右させると、交互に臼を搗きます。
愛知の動くおもちゃには、よく糸(タコ糸)が使われています。
牛若弁慶、回りねずみ、餅搗きうさぎなど、どれも糸が使われて、とてもよくできています。我が家にもかつて牛若弁慶がいましたが、紙でできているもので、引っ越しを重ねているうちに失われてしまいました。
臼を搗いている2人は、穏やかな顔をして、色紙の着物を着ています。
似たからくりに、ロシアの餌をついばむ鶏のおもちゃがあります。
こちらは、両方に棒が出ているわけではなく、片方だけに出た棒を押したり引っ張ったりすると、鶏が交互に餌をついばみます。
メキシコのボクシング人形も、似ています(似ていないかな?)。
真ん中の突起を押すとお互いに近づくので、押したり離したりすると、腕を振りあって戦います。
『日本郷土玩具辞典』(西沢笛畝著、岩崎美術社、1964年)より |
臼搗きは本では見知っていましたが、本物に出逢ったのは初めてでした。
東欧では、鎚を交互に振り下ろすおもちゃは、餅つきではなく、ほぼ鍛冶屋の鉄打ちだったようです。
上の写真はチェコスロバキアで出版された『Folk-toys Les jouets populaires』(Emanuel Hercik著、ARTIA、1951年)からのもの、Brno工業美術博物館ほかに収蔵されているおもちゃです。そして、熊と人が鉄を打っているのは、物語からのモチーフです。
この本によれば、鶏が餌をついばむというのは、鍛冶屋から発生したモチーフだったようです。
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