数年前に織物の道具を買ったことから、ネットショップ「紡ぎ車と世界の原毛アナンダ」からときおり、お知らせメールが届きます。
アナンダでは織物道具だけでなく、インドの木版の植物染料を使った型染めの布なども売っているほか、インドの染めものの土地を訪ねて実際に染めてみる旅なども企画していて、「行きたいなぁ、でも行けないなぁ」と、インドに思いをはせたりしていました。
そのアナンダで、インドのものの特集をやっているというので、扱っている商品を見ていると書籍があり、西岡直樹さんのご著書を扱っていました。織物の道具の店が、なぜ西岡さんの本を扱っているんだろう? と不思議に思うと同時に、『インド動物ものがたり 同じ地上に生なすもの』(平凡社、2000年)は持っていなかったことを思い出し、注文しました。
本が届いて、納品書を見ると、アナンダの代表取締役のお名前は西岡秀樹さんでした。
「えっ?」
知りませんでした。
あのアナンダは、西岡直樹さんの親族の方が経営されていたのでした。ご兄弟かご子息かわかりませんが(おそらくご子息)、道理でインドに詳しいはずでした。
西岡さんの本はどれも美しい仕上がり、表紙はサンタル人の絵師の描いた絵です。
『インド動物ものがたり』には、インド各地で目撃したり、あるいはその土地に伝わる物語を聞き書きしたお話が37編あり、人とジャッカル、カメ、フクロウ、ハタオリドリ、ヤスデ、ミミズとメクラヘビ、ワニ、マングース、ラクダ、バッタ、インドオオコウモリなどなどとの深いかかわりや神話が語られています。
西洋は動物を人より下等のものとして見て(神は人を選ばれしものとしてつくった)、東洋は人と動物を同等と見る(家畜に名前をつけたりする)、と言われていますが、インドでは同じ地球に生きるものとして、人と動物の区別さえつけないのではないかと思ったことでした。人間の生活域にも、さまざまな動物が当たり前の顔をして暮らしていて、西岡さんはそれらに出逢うことになります。
挿絵の、サンタルの絵師(ボトゥア)さんたちが描く世界がまた素敵です。
動物だけでなく、植物のこともふんだんに出てきます。
サンタルの絵師さんの絵だけでなく、
西岡さんご自身の絵も随所に見られます。
動物や植物と語らい、共に生きることを取り戻さない限り、有限の地球に生きる人は限界を迎えるだろうと教えてくれる、インドの人たちの生き方でした。
2 件のコメント:
のら
もしかして、北海道ののらさん?
また、コメントがうまくできなかった?
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