骨董市のまことさんの店に、バンドリがありました。バンドリとは背中に薪など背負うとき、背中や肩がいたくないように当てるものです。
稲わらでつくってあり、稲わらが荷物で擦り切れないように、古くなった漁網が縫いつけられています。稲わらでつくってある土台は、
私の持っているバンドリと似ているので、もしかしたら自分でつくったものではなく、農閑期につくられて流通していたバンドリを、買ったものかもしれません。
漁師さんが木綿糸で丁寧に編んだ漁網は、もともと染めてあったのか、バンドリに当てることにしてから染めたのか、柿渋で染めてあります。
背中に直接あたる部分は、着古した藍絣の布で、きれいに包んであります。
肩に直接あたらない部分を稲わらのまま残しているのが、素敵な意匠になっています。
「古い漁網を使っているってことは、海の近くのものかしらね?」
「酒田あたりのものだろうね」
とまことさん。素敵なバンドリで名の知れた庄内あたりのもののようでした。
高いので買うことはできませんでしたが、手仕事の素晴らしさが凝縮した、素晴らしいバンドリを見せていただきました。
2 件のコメント:
左右の肩ひもを背中側で結び付けている紐の結び方(ロープワーク?)がカッコいいです!バンドリ全体にあらゆる工夫が施されていますね~。
hiyocoさん
そうなんです。あくまでも使いやすくしようと工夫しているだけなのに、美の心を知った人です。
それに、漁網と言い、絣と言い、古くなって用をなさなくなったものを最大限に生かしている、もったいない精神にあふれたバンドリだと思いました。
SDGsとは言いませんよ(笑)。あれは、つくられた経緯からしてあくまでも「D」、Developmentに重きを置いた言葉なのに、最近、巷では間違った使われ方をしています。
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