2024年2月1日木曜日

カンボジアの船


2000年ごろ、カンボジアで見られる船は、国際航路の大型船などを除いて、木製の手づくりの船が主流でした。


港の近くには造船所がありました。
船大工さんたちは木を組んで、板を貼ってかなり大きな船もつくっていました。


少ない工具で、やすやすとつくっていく工程は見事でした。


川や遊水池では、刳り抜き舟もあちこちで見られました。
刳り抜き舟は座っていてもバランスをとるのが難しいのに、彼らはこともなげに立ったり座ったりしています。
刳り抜き舟は1本の櫂で漕ぐのですが、慣れないと、漕いでも漕いでも一カ所をぐるぐる回るだけで、ちっとも前に進みません。


古タイヤを使ったこんな舟もありました。
よく進むかどうかは別にして、沈む恐れはないので、魚捕りなどには格好の舟でした。


これはもっと古い1990年、プノンペンのメコン川とサップ川の交わるあたりの写真です。
ポルポトの圧政がはじまったころ、慌てて逃げる人たちが大切なものを投げ込んだという噂が立ち、いち早くプノンペンに戻ってきた人たちが船を仕立てて川さらいをしているところです。お宝が出てきたのかこなかったのか、毎日のように数隻の船が川底をさらっている姿がありました。
まだまだプノンペンの人口は少なかったけれど、ヘンサムリン政権が国際的に認められ、内戦も終焉を迎え、ポルポト時代を生き延びた人たちがやっとプノンペンに帰り始めていましたが、タイに出た難民の多くは、カンボジア国内で暮らせるようになったことを話しても、まだ信じようとはしない時代のことでした。




 

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