韓国(朝鮮)の柳の蓋つき籠です。
細い柳の枝を麻糸で編み、縁には松のへぎ板を使い、葛で綴ってあります。
韓国では、今でも柳で蓋ものが編まれているようです。
長く上にものを置いていたのか、手に入れたとき、蓋がへしゃげていました。
変形した籠を見ると直さなくては落ち着きません。
まずぬるま湯に浸して、
重石を乗せておきました。
すっかり柔らかくなったところで中に、蓋の厚みより背の高い石を入れて板(この場合は椅子)にくくりつけたら、内側から石に押されて、へこんでいたところが膨らんで固定されました。
一夜そのままにしておいたあと、紐をほどいてみました。
ほぼほぼへこみは矯正されていますが、一部がまだへこんでいます。
へこんだ部分に石を当てて、再度乾かしました。
よかった! 素敵に膨らみました。
朝鮮では、大きい籠には餅を入れて保存し、小さいものはお弁当箱として使われていたそうです。
日本の伝統的な収納具としては、押し入れは別格として、長持ち、茶箱、箪笥、行李などがありました(近代にはリンゴ箱やミカン箱も)。
スーツケースほどの大きさの行李は、1950年代まで(もっと後まで?)、収納箱として、転居などの梱包箱として必需品でした。でも、家にはあったけれど、お店やデパートで新しい柳行李が売られているのを見たことがあったかしらと考えると、私はまったく見なかったような気がします。そんな柳行李が今でもつくられているのかとネット検索すると、兵庫県豊岡市に職人さんとお弟子さんと一人ずついらっしゃいました。
一番知りたい柳の育て方から製作まで詳しく紹介したサイトがあり、興味深く見せていただきました。
柳行李は日本(豊岡)で1200年の歴史があり、一時は職人さんが1万人ほどいらしたそうです。
1966年代にガーナに行ったときは、木にアルミを貼った長持ち(海賊の宝箱のような箱)2つに荷物を詰めて船便で送りました。それらはガーナから次の滞在地アメリカに直接送ったため、一旦帰国していた日本から追加の荷物を送るのに、父母からドンゴロス(ジュートの布)を貼った柳行李を借りました。それが写真の左下の柳行李、送り返したときのYOKOHAMAの文字が見えます。港止めにして、税関の手続きなどしなくてはなりませんでした。
理由なく出国することが出来なかった時代、スーツケースも需要がないのでつくられておらず、木箱にアルミを貼った重いトランクを使っていました。
柳行李は日本(豊岡)で1200年の歴史があり、一時は職人さんが1万人ほどいらしたそうです。
理由なく出国することが出来なかった時代、スーツケースも需要がないのでつくられておらず、木箱にアルミを貼った重いトランクを使っていました。
7 件のコメント:
いつも楽しく拝見しています。柳行李、懐かしいです。1967年に大学入学のために送った荷物は柳行李でしたが、卒業の時に送ったのはブリキの衣装ケースでした。
ところで、重石にお使いの2つの石が気になります。特に白い石が。
blueskyさん
コメントありがとうございます。
段ボールがなかったころ、柳行李は必需品でしたね。
石ですか?(笑)
これまで穿孔貝が孔を開けた石は茨城の浜で拾ったものなので、昔のブログを見てみましたが、白い大きい石は見つけられませんでした。https://manekineko44.blogspot.com/2016/08/blog-post_26.htmlは、別の記事で、小さい石ばかりです。黒い方は「いしりんざし」と名をつけて置いたのですぐ見つかりました(笑)。これも孔が開いています。
blueskyさん
いしりんざしのサイトです。https://manekineko44.blogspot.com/2012/06/blog-post_16.html
柳行李をつい最近見たようだけれど、さて?と思ったのですが、分かりました。
NHKの朝ドラ「虎に翼」で、主人公が法の道から離れると決心した時に、法律書類を封印した箱でした。
いしりんざしの記事、拝読しました。有難うございます。
穿孔貝が穴を開けた石なんですね。
私も穴があいた石を持っていますが、それは木の根を抱いて出来た石だそうです。根が腐って穴が残ったのだと教えてもらいました。
reiさん
「虎に翼」見ているけれど、行李には気づきませんでした。
で、オンデマンドで見てみたら、たぶん紙でつくった偽物でしたよ(涙)。いつも大道具さん、小道具さんは頑張っているのに、どうしたことでしょう!
朝ドラは、前は、面白くないのも多かったけれど、「ブギウギ」も面白かったし、最近は力作ぞろいですね。ただ、いつも妊婦さんがお腹をさすっているのが気になります。今回もひゅんちゃんがお腹に触りすぎ(笑)。妊婦さんて、あんなにお腹に手をやる?
あと、気になると言えば、着物を着た赤ちゃんを抱くとき、いきなり持ち上げて、着物がはだけて脚が丸出しになるのが気になります。今回は珍しく優三さんがうまく抱いていたけれど(笑)。
着物を着た赤ちゃんを抱っこするときは、まず着物の裾をきちっと重ねなおして、それから抱くとはだけません。
blueskyさん
穴の開いた石は、茨城の海ではよく見ます。
でも、木の根を抱いてできた石って、とっても珍しいですね。石ができるまでに長い時間がかかるので、どんなドラマがあったんだろう?
石は、どんな石でも眺めていて楽しいのですが、そんな石なら見ているだけでわくわくしてしまいますね(^^♪
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