2010年6月19日土曜日

トンビ



6月、八郷の里はどこもみどり、みどりです。
田んぼのみどりも、ずいぶん濃くなってきましたが、我が家の田んぼだけ、ちょっと貧弱です。

ビニールハウスではなく、路地で苗をつくり、以前は昔の田植えにあわせて、6月末に植えていましたが、一ヶ所だけ残ると、イノシシの標的になるので、周りの田んぼと時間差のない、5月半ばに田植えをするようになったので、違いが際立ちます。

それでも、ずいぶんしっかりしてきました。最初、水を張ると、苗の先が沈むほどの小ささでしたが、太くなり、分結もはじまりました。機械で植えた田んぼは、5、6本植えですが、我が家の田んぼは、基本的に、一本植えです。小さいのに一本植えですから、いよいよ見劣りするのですが、8月末ごろには遜色なくなります。

もっとも、苗が短くて、あまり水を張れなかったので、草がたくさん生えてきているのが、頭の痛いところですが。




水を見に行くと、田んぼにトンビが立っていましたが、人の影を見て、すぐさま電線へ。
でも、ずっと下を見ているのは、私がいなくなったら、また田んぼに降りるつもりのようでした。




田んぼには、たくさんのおたまじゃくしやカエルがいます。トンビもそれを狙っているのでしょう。

まだ、長いしっぽのついたカエルがいたので、写真を撮ろうとしたら、逃げられてしまいました。このカエルも、よく見るとまだしっぽがついています。




ニワゼキショウは、田んぼのほとりだと、いっそう元気です。

2010年6月18日金曜日

バングラデシュの鎌



バングラデシュには、乾季に地下水を汲み上げて稲をつくっている地域もあれば、雨季の増水を利用して稲をつくっている地域もあります。地下水の多用は、砒素中毒の問題を起こすので、一度、潅漑栽培に切り替えたのに、再度、雨季に天水を使いながら育てる栽培に戻した地域もあります。

栽培する稲の種類も多様で、昔ながらの、水位が上がってくるのに合わせて、茎が5メートル以上にも伸びる、浮き稲をつくっている地域もあります。

というわけで、地域によって稲刈り鎌の形は違いますが、これは、コイタという地域で働いていた友人にいただいた鎌です。

といっても、鎌は左のものだけです。右は一体なんでしょう?
右のものは、また別に紹介する機会があると思います。




この鎌のつけをよく見ると、材料が建設材料の鉄筋(専門用語では、異形鉄筋)だったことがわかります。
バングラデシュは鍛冶屋さんのとても発達した国です。きっと鉄筋をぶつぶつ切って、鎌などの刃物をどんどん生産しているのでしょう。

2010年6月17日木曜日

エチオピアの鎌



エチオピアは、4,000メートルもの高低差のある国ですが、その高いところにも、低いところにも、人々が暮らしています。
気候も違うので、作物も違います。麦をパンにして食べている人たち、テフをインジェラ(発酵したクレープのようなもの)にして食べている人たち、エンセーテと いう、芭蕉のでんぷんを食べている人たち、ミレット、ソルガムなどの雑穀を食べている人たちと、主食もいろいろです。

この鎌は、南部の町の市場で買いました。新品にしては、柄がぼろい。こんな木しか見つからなかったのでしょうか。それとも、使い古しを並べていたのでしょうか。
いったい、何を刈る、鎌なのでしょう?




南部の家の中で、同じ鎌を見つけました。でも、このあたりは、エンセーテを食べている地域です。




家の後ろに、ちょっと見えている、バナナのようなのが、エンセーテです。家の周りにたくさん植えておいて、大きく育ったものを切り倒し、茎をつぶして晒し、でんぷんを採って食べます。
味は、サゴヤシのでんぷんや、吉野葛と同じよう、なかなか美味です。




でも、エンセーテの収穫には、この先の曲がった鉈を使うようでした。家の材料は雑穀の茎でしょうか?それとも、葦のようなものでしょうか?それは、何で刈るのでしょう?
別に、民俗学調査で訪問したわけではないので(笑)、いろいろ質問することもはばかれて、鎌の使い道についてはたずねませんでした。
もっとも、エンセーテのでんぷんをつくる道具については、必要以上にいろいろたずねたのですが、ここでは割愛します。




やはり、同じ市場で見つけた鎌です。
よく見ると、太くて長い釘の先を叩いて、つくったものです。下に、釘の頭が見えています。
鉄筋の刃物はわりとよく見かけますが、釘の刃物は初めて見ました。

2010年6月16日水曜日

タイの稲刈り鎌



以前、タイは鍛冶屋の発達しなかった国だと書いたことがありました。早くから、インドやビルマからの行商の鍛冶屋から、刃物を手に入れていたようでした。

そんなタイで、稲刈り鎌は、工場製の、細い、三日月のような形のものが、どこでも使われています。刃と柄の一体型で、これに、さらに木の柄をつけようと思えばつけられるのでしょうけれど、そのままで使われています。

日本には、稲刈り鎌とは形の違う、草刈り鎌が、地域地域で、特徴のある形をつくりながら発達しました。しかし、東南アジアでも、アフリカでも、いわゆる鎌の形をした草刈り鎌は、ほとんど見かけませんでした。
たいていは、長い刃に柄のついた、鉈のような形の刃物を、振り降ろしながら、草を刈ります。
タイでは、片刃ではなく、両刃になった刃物が長い柄についた道具で、左右に振ると、どちら方向にも切れるという、優れものもあります。効率はすこぶるいいのですが、私は、使いこなすことができませんでした。

この、草刈り鎌の形の違いは、どこから来たのでしょうか?
日本では、草を牛などの家畜にやるために、1本たりと粗末にできなかったということがあります。そのため、草を散らすのではなく、集める形の草刈り鎌が発達したのでしょうか。
そして、もっと土地に余裕があった東南アジアなどでは、牛など家畜は放し飼いにしますから、草を神経質に集めなくてもよかったのでしょうか。




これは、工場製の鎌が使われるようになる以前の、稲刈り鎌です。現代のものほど丸くありませんが、細い、カーブした刃を持っている鎌です。




北の山岳地帯に住む人々が、陸稲を刈るための鎌です。ちょっと小ぶりです。陸稲は穂刈りというほどではありませんが、茎を半分ほど残して刈り取ります。

日本では、わらは縄を綯い、かますや筵をつくるなど、農作業に欠かせない道具をつくるための重要な材料だったので、根元近くから刈り取りました。
しかし、タイやカンボジアでは、ヤシという、稲わらより丈夫な素材が手に入ることもあって、稲わらはほとんど牛など家畜の餌として使われてきました。




これは、稲刈り鎌ではありません。芥子を傷つけたり、広い刃の上で、芥子から出てくる液を練ったりする鎌です。
芥子からつくるアヘンは、もともとはその地域に住む人々の民間薬でしたが、お金儲けの道具にされたり、多用されたり、より健康に害のある混ぜ物をされたりして、今日の、忌むべき麻薬にと成り果てたものです。

2010年6月15日火曜日

カンボジアの鎌




刃物が好きです。鎌をUPしようとして、「やっぱりカンボジアの鎌からだよなぁ」と思って、高いところの壁にディスプレイしてあったのをはずしてきたのですが、せっかく糸で籠に縫いつけたこの鎌、外すとあとが面倒なので、このまま写真に撮ってみました。



タイの農作業について書かれた本の中で、クメール(カンボジア)スタイルの鎌の存在を知ったのは、1980年代の半ばだったでしょうか。モノクロの小さなイラストだったか、写真だったか、見たことのない形だったので、いつか見てみたいものだと思ったことでした。

タイのスリン県には、クメール人の村がたくさんあります。スリンやブリラムに行くたびにクメールの鎌をさがしてみましたが、まったく手がかりはありませんでした。

1990年、初めてカンボジアを短期訪問しました。国連に国としてやっと認められ、西側諸国との関係がはじまったばかりのころで、車は古い型のものが少ししか走っていない時代でした。
プノンペンから、タイ国境に近いバッタンボン県に行く途中だったでしょうか。こぼれんばかりの農民を、荷台に立たせて運んでいるトラックとすれ違いました。そのうちの一人が、なんと、あのクメールの鎌を持っていたのです。
「ほら!こんな鎌」
私は絵を描いて、今は亡き、もと同僚のUさんに示し、町に着くたびにさがしてもらいました。しかし、クメールの鎌はまったく見つかりませんでした。

見つからなかったはずです、この鎌は、プノンペンより東の、プレイヴェン県で使われているものだったのです。
カンボジアの稲作と言っても、地域によって大きく違います。雨季に、田んぼに雨水が溜まったら田植えをする地域、メコン川の増水がはじまったら田植えをする地域、メコン川の水が引きはじめたら田植えする地域、乾季に潅漑水で田植えする地域などなど、稲の種類も、育てる時期もまったく違います。

地域によって、肥沃な土地もあれば、砂地もあります。小農もいれば、大農もいます。農具もそれそれの土地に合ったものを使っているのです。

私がクメールの鎌と出合ったのは、もっとずっとあとのことでした。



この鎌は、他では見ることのできない、独特な形をしていますが、まず、曲がった柄に引っ掛けて、倒れてしまった稲を起こします。そして、手をくるっと返して、今度は刃で、稲を刈るのです。まるで、クメールダンスのような優雅な動きです。

これは、『道具と使い方』という本に載っている、クメール鎌のイラストです。



『道具と使い方』には、素敵な道具がたくさん載っています。あるギャラリーが出版したものですが、出版に合わせて展示会もやりました。ギャラリーがアパートの近くだったので、会期中は何度も足を運んだものでした。
表紙は、牛の口に被せる籠の写真です。田起こしのときなどに使います。



鎌の柄は、木の枝などを利用してつくるので、一つ一つ、形が違います。
特徴は、柄の端に、美しい彫刻がほどこされていることです。



これは、横長な上の鎌に比べれば、ずいぶん縦長です。



飾りと補強をかねて、金属も部分的に使われています。



この鎌は、携帯しやすいようになのか、3つに分解できます。



これらの鎌を見て、鉄にこだわっているある友人が、「それにしても、刃は貧弱だなあ」と、言いました。
確かに、柄には意匠を凝らしていますが、刃はついていればいいという感じでしょうか。
日本人が鎌の柄にこだわっていないように、カンボジア人は刃にはこだわってないようです。



典型的な彫刻です。



美しく、彩色したものもあります。



そしてこれは、猿が果実を抱いた、とても珍しい彫刻がほどこされた鎌です。
上から二番目の鎌だけは、市場で買った、新しいものですが、あとは古いものです。
今でも、クメールの鎌を見ると、ついつい欲しくなってしまいます。


2010年6月14日月曜日

ヤマアジサイ



朝から雨、庭木はみんな喜んでいますが、やはり、雨にアジサイはよく似合います。




昨年、もっとも若くて、もっとも活発だった犬が事故死して、悲嘆にくれている時期に咲いていたのが、アジサイでした。
そのため、アジサイへの思い入れが強くなり、昨年は、花木センターなどで、ヤマアジサイを見かけるたびに、小さな苗木を買ってきました。

これは、「剣の舞い」です。花が終わってしまってから買ったので、花を見たのは、今年が初めてでした。




これは、「藍姫」だったでしょうか。




そしてこれは、ヤブデマリと自然交配した、「瀬戸の月」です。
どれもまだ貧弱な木ですが、花はなかなか愛らしいものばかりです。




りっぱな株に育ったのは、植えてから数年経った七段花です。
夫が、すぐ近くをパワーシャベルで通って、キャタピラでちょっと踏まれてしまいましたが、今年もきれいに咲きました。

今年買った、「済州島」はまだ咲きはじめていません。

裏山に自生している白い花のアジサイは、何度も何度も挿し木に失敗しましたが、やっと一本だけついて、新しい葉を数枚つけたところです。

2010年6月13日日曜日

台所道具 ブラシ編



ブラシ類は、頻繁に使うものです。そして、使ったあとはいつも乾燥させておきたいものです。
だったら、目につくところにあっても、嫌じゃないものをという気持ちがあったかどうか、素敵なブラシを見ると、ついつい欲しくなってしまいます。

これは、全部ビン洗い。もっとも頻繁に使うのは、右から2本目と、左から2本目のブラシです。
右から2本目は、ドイツの哺乳ビン洗いだそうですが、とても具合がいいです。いつもこれを使いたいのですが、前からいた、左から2本目のブラシの顔も立てて、公平に使っています。

左の長いブラシは、毛を止めてある針金が柔らかくしなるので、口の細い、大きなペットボトルを洗うことも可能です。というわけで、もう20年以上使っていて、くたびれていますが、手放すわけにはいかないものです。




急須の口や、箸立ての底など、手の届きにくいところを洗うための小さなブラシたちです。
右から2番目は、箒から1本抜き取った、ただのヤシの繊維ですが、ブラシ立てに、常備しています。右から3番目のブラシでも洗えないような、急須の濃し穴とか、三角に尖った試験管の底とか洗うのに使います。




食卓のパンくずなどを掃き寄せるブラシです。一つあれば事足りるのに、白い毛に引かれて、ついつい2本目を買ってしまいました。




台所のシンクは、亀の子たわしやスポンジで洗っていますが、こちらは洗面所とお手洗いの、流しのボウルを洗うブラシです。
以前は、歯ブラシや爪ブラシの使い古しを使っていましたが、いろいろ混同する人もいるし、隠すように置く場所にも気を使っていたので、いっそ洗面ボウル専用のブラシをと、使いはじめたものです。
ちょっと毛が柔らかいのですが、かわいいし、重宝しています。水道のパイプにぶら下げています。




台所道具ではありませんが、ブラシついでに、これは、招き猫などの埃を払うブラシです。左のブラシは、ただのペンキ用の刷毛ですが、我が家では、埃払い専用です。

私は、食器洗いは大好きですが、掃除はそんなに好きじゃありません。でも、洗面所の掃除をしなくてはとか、人形の埃を払わなくっちゃあと思い立つのは、ブラシを持つのが好きなせいかもしれません。