室外に出たヤギさん

数日前から、夫がこそこそと何かをやっていました。
見ると、私が大切に取っておいた古い板に穴を開けています。その昔、棚にしていた板で、幅は広いし、反らないので大きい引き出しをつくったりするとき重宝するもの、１枚も無駄にしないようにと、大事に大事に使っていました。

「何するのよ！私の木に穴を開けちゃって！」
「熊井くんの彫刻を外に飾ろうと思って」
夫は、ばれたのなら仕方ないといった調子で、めんどくさそうに答えます。
「あぁぁ、３枚も使っちゃったのか。ヤギは室内でよかったのに！」
「．．．．．」

やがて夫はつくったものを中庭に設置して、コンクリートを練って詰めています。
新しいことをするのは好き、手入れはしない夫が、私が草をむしったり刈り込んだりしている場所に彫刻を置こうとしているのです。
「アジサイの木に気をつけてね」
コンクリートを練る舟で、小さなヤマアジサイの木が少し傷んでしまいました。

どのくらいの高さにしたのかしらと、中をのぞいてみました。

３分の１くらいか、コンクリートの２か所に穴が開いています。
  

古い合板もあったし、集成材もあったのに、よりによって私が大切に取っておいた板は、チェーンソーであえなく、粉々に切られています。

そして昨日、夫の友人の熊井淳一さんの彫刻は、コンクリートの柱の上に収まっていました。

ブロンズですから、戸外においても傷みませんが、小さい作品なのでどうかと思っていましたが、少なくても薄暗い玄関に置いてあったより、いいかもしれません。

まだドウダンの葉が出たばかりですが、緑が濃くなったら、彫刻はもっと映えるでしょうか？

後日：